2025年4月から大幅値上げとなった「電化上手」プラン
オール電化にしておくと電気代が安い!と2000年頃にスタートしたオール電化向けの電気料金。最近までは割引なども適用されていたためかなりお得感があったものの、2025年4月に大幅な値上げをして、ついに現在のプランよりもかなり高額になってしまいました。東電としては、このプランを廃止にしたいため、価格を上げて現在のスマートライフプランへの移行を促しています。
現在のプランは以下の通りで、昼間の10時~午後5時に関しては夏場は43.93円と個人向けサービスの中では最高値の価格設定になっています。
そして、他の季節でも40.44円は、スタンダードプランの301kWh以上利用した人の40.49円の次に高額な金額となっています。
2016年以降、「電化上手」には加入できなくなっているため、それ以降の個人契約では、スマートライフSまたはLになっています。2025年4月までは電化上手の方が深夜電力を活用すれば安くできたのですが、いよいよ電化上手は解約しないとまずい状態になってきました。
東京電力EPのオール電化プランの電気料金を比較
以下が東京電力エナジーパートナーのスマートライフプランですが、電化上手の7時~10時、17時~23時までの電気料金ですら35.87円、深夜電力の23時~7時までの料金も28.85円で、電化上手が勝てる時間は、朝6時~7時の1時間と、23時~翌1時の2時間の合計3時間のみとなってしまいました。そして、夏場の日中に関しては、電化上手は43.93円ですから、1kWhあたり、8.17円も高い計算になります。
基本料金は?
ここでは、10kVAだった場合で比較します。まず、電化上手の場合基本料金は7kVA~10kVAで2457.5円です。次に現行プランのスマートライフLは、311.75円×10=3117.5円が基本料金で、ここだけ見ると、電化上手の方が600円程度安くなります。
基本料金は安いが、使った電気料金は高くなっています。では、実際に使うとどうなってしまうのかを比較していきます。ここでは、東電EPだけでなく、小売業者では、業界最安とも言われている「オクトパスエナジー」も含めて比較してみます。
業界でも安く安定しているオクトパスエナジーと比較
IT技術を駆使した電力会社として2016年にイギリスで創業し、世界的にも拡大を広げている「オクトパスエナジー」は2021年に日本で事業をスタートさせ、以来多くのユーザーを獲得してきています。数年前に、電力の市場価格が高騰した際に、多くの小売業者が撤退を余儀なくされました。

この際に、再エネの電力を販売していた会社を中心に、多くの電力小売りの事業を引き継いだのがオクトパスエナジーだったため、加入者が非常に多く、そしてなにより電気料金が安い事で有名です。オクトパスエナジーは東京ガスとの合弁会社を設立し日本に上陸しています。
ではまず、実際の料金単価を使って、具体的なモデルケースで料金を計算します。どちらが安くなるかは、あなたの生活リズム次第です。以下のように条件を設定して比較していきます。
【シミュレーション共通条件】7月の電気使用量で比較
- 契約: 10kVA / 月間使用量: 250kWh
- 燃料費調整額: 3.76円/kWh(東京電力エリア 2025年7月時点)
- 再エネ賦課金: 3.98円/kWh(2025年度)
- 計算方法: (基本料金) + (電力量料金) + (燃料費調整額) + (再エネ賦課金)
- 期間:31日間
オクトパスエナジーと東京電力EPのオール電化プラン比較
それでは、基本料金や昼間、その他の時間の電気料金を比較して計算します。
★オクトパスエナジー(オール電化オクトパスプラン)
- 基本料金(10kVA) 10.25円/kVA/日 昼間料金:24.5円(6時~翌1時)、 夜間・その他:17.85円
★東京電力EP(スマートライフLプラン)
- 基本料金(10kVA) 3117.5円 昼間料金:35.76円(6時~翌1時) 深夜:27.86円(1時~6時)
★東京電力EP(電化上手)
- 基本料金(10kVA) 2457.5円 昼間料金:43.93円(6時~翌1時) 深夜:27.86円(23時~7時)その他時間:35.87円
なるべくリアルな数字になるように、一般的な家庭の時間帯別の電気使用頻度を以下のグラフのようにあらわして、電気使用量の内訳も適用していきます。
圧倒的に安いオクトパスエナジー、電化上手が意外な結果
さて実際に計算をした見た結果が以下の通りです。グラフを見てわかる通り19時~22時ごろまでは、一般家庭で最も電力を消費する時間です。
最安:オクトパスエナジー
結果としてオクトパスエナジーが最も安くなりました。
- 基本料金:1日平均8.06kWh ×10.25円×31日=2562.5円
- 電気料金:5927.8円
- 燃料調整費:940円
- 再エネ賦課金:995円
- 合計金額:10425.3円
2位:電化上手(東電EP)
これは、基本料金がスマートライフLと比べて随分安かったためですが、使用電力量がこれより上がってくると順位が入れ替わります。しかし、これは日中の料金が書き料金43.93円で計算しています。10月~6月は40.44円と、3.49円も安くなります。こうなると使った電力量が増えてもスマートライフLと比べて冬も安くなります。
- 基本料金:10kVA 2457.5円
- 電気料金:9238.3円
- 燃料調整費:940円
- 再エネ賦課金:995円
- 合計金額:13630.8円
オクトパスエナジーと3200円ほどの差が出ました。
3位:スマートライフL(東電EP)
わずかの差でスマートライフLが3位となりました。基本料金の差があるため、電力使用量が増してくるとスマートライフLが安くなってきます。
- 基本料金:10kVA 311.75円×10=3117.5円
- 電気料金:8756.1円
- 燃料調整費:940円
- 再エネ賦課金:995円
- 合計金額:13808.6円
冬季の利用に置き換えたらどうなる???
ちなみに、電力をより多く使う冬季、例えば今年の1月の例で、今の4倍の1000kWhの電力を消費し、燃料調整費が変わらないとして計算すると、以下のようになります。
- オクトパスエナジー:41,701円
- スマートライフL(東電EP):45,882円
- 電化上手(東電EP):46,097円
スマートライフLと電化上手は実際はどちらもほとんど変わらない価格になっているというわけです。東電もうまくシミュレーションしていると感じます。
オクトパスエナジーとは4000円ほどの開きがあります。年間にすると、電気代はおそらく40,000円~50,000円ほど変わってくるでしょう。結構大きいですよね。
他にも更にお得なオール電化プランとキャンペーンを用意
現在オクトパスエナジーは2025年8月1日~8月31日まで、キャンペーンを実施し、オール電化プランへの他社からの乗り換えで電気代割引を行っています。
今回はオール電化プランで計算をしましたが、他にも再エネを利用したプランや電気自動車を所有している人向けの深夜料金格安のプランも用意されています。
オクトパスエナジーは、とにかくAIなどをフル活用し、電気料金を常に最適化していっているところです。極限まで人件費を抑え、電気料金の変動にもいち早く対応し、最適な金額を算出しているというメリットがあります。しかしながら我々日本人は、一度電力小売りが大量に破綻したという経緯もあり、大手電力会社以外には信用できないという考えも広まっているのが事実です。
これを踏まえて、みなさん、オクトパスエナジーにしますか?それとも大手電力会社を続けますか?