金曜日 , 10月 11 2024

ソニー・ホンダによる新型EVブランド「アフィーラ」の実力!

ソニー・ホンダモビリティが発表した「AFEELA」ブランド

米国ラスベガスで開催されている全米家電協会(CEA)が主催する家電見本市「CES2023」にて、ソニー・ホンダモビリティ(以下:SHM)は新型電気自動車(EV)のブランドとして「AFEELA(アフィーラ)」を発表し、その車両のプロトタイプを展示、世界初公開しました。

AFEELA SONY HONDA MOBILITY エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

2022年3月にソニーホンダモビリティ株式会社の設立に関する合弁契約を行い、同年10月に設立を発表、そこからおよそ2か月でプロトタイプを登場させました。ブランド名の「AFEELA」には、人がモビリティを知性を持つ存在として「感じ」、IT技術を通して人と社会を「感じる」という「FEEL」を交えたものになっています。

自立性・拡張・共生を具現化

コンセプトには3つの「A」として「Autonomy(自立性)」「Augmentation(拡張)」「Affinity(共生)」を掲げ、安全運転技術を導入したうえ、快適な移動空間を提供するため、自動運転機能としてレベル3を搭載し、市街地での運転支援としてレベル2+の開発も行っています。それらを実現するために、45個のカメラとセンサーを搭載し、室内外を監視しています。これらのリアルタイム処理に必要な演算性能はクアラコム社のSnapdragon Digital Chassis チップを採用するとしています。

AFEELA SONY HONDA MOBILITY エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

Augmentation(身体・時空間の拡張)では、ユーザー毎の車両環境設定を提供し、ユーザーが車両に乗り込む際に車内センサーやカメラにて個人を識別してその設定を自動で呼び出します。複数のユーザーで1つの車両を利用している場合は複数人登録されそれぞれの設定がロードされます。拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を駆使し、リアルとバーチャルを融合した体験を提供できるようにもなっています。

AFEELA SONY HONDA MOBILITY エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

更にソニーと言えばエンターテイメントです。映画や音楽、ゲームなどを最高のサラウンドオーディオにより演出します。しかもシートごとに搭載された液晶モニタにより、それぞれが自分の時間を楽しめます。

AFEELA SONY HONDA MOBILITY エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

そしてAffinity(共生)として、これら安全性やエンターテイメント機能についてはOTA(Over the Air)アップデートにより、車両がどんどん進化していきます。車両は常に5G接続され、ユーザーに新しい体験へのアップデートが提供されます。

車内外デザインは固まるも、詳細スペックは未定

CES2020ではソニーが単独でバッテリEVの発表を行い、その後CES2022ではSUVタイプの車両デザインを発表しましたが、ホンダというパートナーを得て、更に未来感を増したデザインになりました。

SONY VISION-S エレクトリックライフ
CES2022で発表したSUVタイプ(左)と2020で発表したセダンタイプ(右)

車両デザインや車内エンターテイメントなどのコンセプトやデザインが発表されていますが、基本的な電気自動車としてのスペックや価格帯については2020年の発表から触れられていません。これらは日進月歩の電気自動車用バッテリセル開発において、発売直前に最適なバッテリと最大限に航続距離を稼げる電池容量を搭載するためにここでは発表を避けているのでしょう。

AFEELA SONY HONDA MOBILITY エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

予約は2025年、納車は2026年春

その予約注文の開始時期も2025年前半と今から2年も先となっていて、納車は北米市場から開始するとし、その時期は2026年の春ごろになる予定です。2年も先ならEV用バッテリの世界は激変しているに違いありません。

CESでの発表が従来の自動車との差別化

ソニーは2020年に最初のコンセプトモデルVISION-Sを家電見本市であるCESにて発表しています。世界中でモーターショーが開催されている中、あえてCESで発表していく事で、これが従来の自動車という概念ではなく、新しい電気のモビリティであるという事を印象付けています。

EVは従来の自動車メーカーから発売されているエンジンをモーターに置き換えただけのモノから、テスラを代表するEVベンチャーが作るような、ソフトウェアでの制御により、新しいユーザー体験を提供し、自動運転や移動のエンターテイメント性などを重視したもの、そしてその中間的なEVなどが存在します。

SHMのAFEELAブランドは、まさにEVベンチャーがモビリティに求める高付加価値と車という存在を根本から変える事へ挑戦してきています。

しかしながら、そのタイムラインは果てしなく遠く、北米が2026年春の納車であれば、日本は2027年に突入する可能性もあり、今後日本市場のEV化状況によっては更に先送りされる可能性もあります。

その間に他国EVベンチャーの日本上陸などにより、すでにAFEELAブランドが過去のものになっていない事を祈りたいところです。

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