トップを守るテスラ、破竹の勢いの中国車
世界の自動車メーカーの2021年12月のEV売り上げ数をランキングにしてみると、テスラがやはり好調な伸びを示しています。1月も月間ベストセラーのタイトルを守り、登録数170,000台を達成しています。 この四半期で初めて月平均登録数が100,000件を超えました。
中国のEVメーカー、BYDも必死にテスラの後を追随していますが、93,293件の登録数でした。しかし、今後もこの調子で中国メーカーが成長し続けるとすれば、2022年はテスラとの激しい競争となるでしょう。
続く SGMW は、これも中国のメーカーで61,306件の登録数で3位でした。さらに結果で注目したいのが、8位のグレートウォールモーター(長城)と9位のチェリーモーターです。いずれも中国の自動車メーカーで、突然上位に浮上した感があります。チェリーに関しては昨年に販売をスタートした「QQアイスクリーム」が好調のため上位に食い込んできたのだと思われます。2022年「QQアイスクリーム」を武器にランキング上位の常連として並ぶ日がくるでしょうか。
ランキングの後半には、17,251件の登録を記録した中国のメーカー、Dongfeng(東風)がランクイン。さらに、リ・オート(Li Auto)は、現行モデルは1種だけにもかかわらず、その成功によって14,087台が販売され、12月には世界のEVメーカーのトップ20入りを果たすことができました。
トップ20に入れなかったメーカーを見ると、フォードは僅差で21位に終了し、またジーリーはEVでのトップ20入りは逃したものの、努力の成果がしっかりと数字に表れ、11,348台の登録数で確実に伸びてきています。ジーリーは自動車市場全体で見ると最大の規模を誇る中国のメーカーであり、2022年にはいよいよEV分野でもベストセラーのランキングに上がってくることでしょう。ポルシェのEVは12月10,631台の売り上げで、これはポルシェ全体の売り上げのうちの約1/3を占めており、決して悪い数字ではありません。
テスラに迫る中国勢
2019年から2020年にかけてはテスラが独り勝ちで他を大きく引き離して独走し、さらに2021年も快勝し、4年連続でベストセラーに輝きました。しかし、マーケットシェアは着実に浸食されてきています。すぐ後に迫るBYDがいよいよテスラに挑む日は、そう遠くないでしょう。BYDの国内成長率は昨年ほど大きくなくても、2022年は海外でのマーケット拡大に大きく出てくるだろうと言われており、それが成長の加速に繋がっていくことになるでしょう。
年間売り上げランキングに大きな動き
2021年の年間の売り上げでは、ジョイントベンチャーのSGMWが、今回初めて3位の表彰台に立つことができた一方で、前年は2位に輝いたフォルクスワーゲンが4位に後退し表彰台を去りました。
また年間売り上げトップ20社を並べてみると、ランキング前半はそれほど特筆すべき動きは見あたらないのですが、後半に予想を上回る動きが見られます。特に12月、グレートウォールが昨年より一気に4位上がって12位に急浮上し、また別の中国EVメーカーであるGACも追い上げを見せ、14位まで上がったのです。チェリーは18位、シャオペンも一つ上がって続く19位となり、中国のEVスタートアップ企業が軒並みベストセラーとして並んだ年となりました。
最後にDongfeng(東風能迪汽車)についてですが、こちらは2021年の上位20社には入らなかったものの、Changan(長安汽車)との差は約4,000台で、僅差で20位を逃しています。2018年にも18位というトップ入りを果たしており、今後も必ずまた上位に戻ってくることが予想されます。
2022年も中国のEVメーカーの勢いから目が離せません。
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