2025年11月9日、東京ビッグサイト(江東区・有明)にて開催されていた「Japan Mobility Show 2025(ジャパンモビリティショー2025)」が盛況のうちに閉幕しました。
本イベントは、単なる自動車の展示会にとどまらず、「ワクワクする未来を、探しに行こう!」をコンセプトに掲げ、「みんながワクワクし、一緒に考え、未来を創り上げていく」という強い想いのもと開催されました。最終的に101万人が訪れるイベントとなり、モビリティがもたらす豊かな未来への希望を強く印象づけました。

モビリティは未来の生活と価値観を創る
モビリティは、もはや単なる移動手段ではありません。それは人々の心を支え、動かし、私たちの生活の記憶や価値観さえも形づくってきたものです。
Japan Mobility Show 2025は、「豊かで夢のあるモビリティ社会の構築」を目指し、従来の自動車産業の枠組みを大胆に超えました。IT、通信、エレクトロニクス産業、そして未来を牽引するスタートアップ企業など、過去最多となる合計522の企業・団体が参加し、多岐にわたる産業が手を取り合う未来型の協創プラットフォームとなりました。不確実な時代だからこそ、この連携こそが「モビリティがもたらす明るい未来」への希望を私たちに届け続けます。
2035年の生活を先取り体験:未来ツアーへの期待
未来のビジョンを具体的に体験できるプログラムは特に注目を集めました。
未来モビリティ社会の青写真を提示した「Tokyo Future Tour 2035」には、311,235人が来場。来場者は、わずか数年後に現実となるかもしれない、革新的で豊かなモビリティライフを先取りして体験しました。

また、「Mobility Culture Program」にも346,151人が来場し、移動が文化、エンターテイメント、そして新たなコミュニケーションの源泉となる未来の姿を楽しみました。
未来のモビリティエンジニアを育成する取り組みも活発でした。子供向け職業体験型施設「Out of KidZania in Japan Mobility Show 2025」も26,906人の体験者を集め、次世代を担う若者たちが、未来を創る役割へのワクワク感を肌で感じた瞬間となりました。

イノベーションの現場:未来を担うスタートアップたち
彼らスタートアップ企業こそが、自動車産業の枠を超えた、新たな技術と発想で「豊かで夢のあるモビリティ社会」の構築を加速させる主役たちです。
自動運転や、移動空間の人の心をサポートするAIアシスタントなどの最新テクノロジーはもちろんですが、近い未来にやってくる「高齢者の移動」に関しても取り組む多くのスタートアップや中小企業も目にしました。

夢のような世界だけでなく現実的な解決策も示したJMS2025
日本が抱えている高齢化社会の問題の1つとして、核家族化による高齢者の独居生活などがあります。このような人たちの免許返納は人々との距離がより遠くなり、そして生活が不便になってしまうため、交通の整備が整った首都圏などは良いですが、地方では死活問題となります。免許返納後にも手頃な価格で手に入り、メンテナンス拠点もそれぞれの地域にあるような未来も示されていました。

全ての人の未来が見えた素晴らしいモビリティーショー、しかし、、、
新しくモビリティショーになってから、2回目の開催となった今回のモビリティーショーは、その来場者が示したとおり注目イベントとなりました。近い未来から遠くの未来まで、子供から大人、高齢者までが利用できる全ての人へのモビリティが見れた素晴らしいモビリティーショーでした。
一方で、これだけの未来を示したメーカーへの期待も高まったわけで、2019年までのモーターショーのようにいつまでも出さない車を飾って、見に来た人を喜ばせるだけのショーは終焉を迎えたわけです。

AIによって設計、評価などの時間は圧倒的に短縮される現代で開発のスピードは上がっています。日本もチャレンジングに日本市場にモビリティを投入していかないと、スマートフォンの時と同様に、若い人が低価格で魅力的な海外メーカーのものしか使わなくなり、日本のメーカーは撤退するということにもなりかねません。
テスラ、不在のモビリティーショー
テスラはこういった展示会などに出展しないことで有名ですが、大手メーカーが展示していたここ数年でリリースする予定の車両に搭載されているようなシステムは、すでにテスラには搭載されていて、日本国内にもたくさんのテスラ車両が走っています。着実に充電ネットワークも広め、体験施設も広め、完全自動運転についても実証実験が始まっています(すでに米国ではスタートしています)。
2年後のジャパンモビリティショーには、来場者が自動運転車両で会場に来ることになった場合、その展示内容は大きく変わっていることでしょう。
来年は、どのメーカーの車両が最も多く自動運転でジャパンモビリティーショーに人を連れていくかが楽しみです。
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