日曜日 , 4月 12 2026

EVを上手に活用するなら電力契約が重要。「ほぼ0円」の時間帯に充電し、高い時間に放電。

直ぐにできる節電で知っておきたい「デマンドレスポンス(DR)」という考え

デマンドレスポンス(DR: Demand Response)とは、一言で言うと「使う側の工夫で、電気の需要と供給のバランスを調整すること」です。

これまで、電気のバランス調整は「使う量に合わせて、発電所が作る量を増減させる」のが当たり前でした。しかし、デマンドレスポンスはその逆で、「供給の状況に合わせて、使う側が節電したり時間をずらしたりする」仕組みを指します。

法人でも個人でもデマンドレスポンス(DR)を!

これは、まず自分たちへのメリットは大きく、そして社会に対するメリットも多いというWin-Winなものであるというのが非常に重要です。自身がDRを行えば、単純に電気代が安くなるというメリットがあります。

ただ、皆が電気を使いたいときには、もちろん自分も使いたいわけであって、これは法人でも個人でも一緒です。その中でDRを行うために、まず知っておかなければならないことがあります。

デマンドレスポンスの最初の一歩「電力の市場価格を知る」

電力の市場価格は、今までは一般にはあまり関係ないものでした。なぜなら市場価格は我々消費者にはあまり影響してこなかったからです。しかしながら、最近このデマンドレスポンス(DR)という考え方により、必要な知識となってきました。

市場価格は、「環境市場(日本テクノ社が運営。ページ末尾にリンクあり)」というウェブサイトで見ることができます。例えば、以下のグラフは2026年4月12日(日)の30分おきの電力市場の価格です。

この日は平均9.6円/kWhで、最安値は8時~15時の間の「0.01円」です。最高値は18.42円/kWhとなっています。

この日は日曜日ですので、多くの法人が休みであるため、日中の電気の需要が無いため、ほぼ無料に近い価格で電気が取引されています。日中は太陽光発電所などでの発電により大量に電気がつくられているため、電気を捨てているような状態になるため、このような価格になっています。

一般的な家庭などでは、1kWhあたり、30円前後くらいが通常料金であるため、簡単に言ってしまえば、この差額が電力会社の取り分になります。しかしながら、夏季や冬季など電力需要が高まる時期には当然100円や200円なんていう恐ろしい数字になる事もあるため、その時期には電力会社が赤字になっているという事になります。

市場に連動した価格プランでDRに対応!

一般的な電気料金は、殆どが価格が一定か、昼間の時間帯と夜間で電気代が違う程度であるため、デマンドレスポンスに対応したと言っても大幅にその電気料金の節約につながるようなことは在りません。

しかし、現在では法人や個人の電気料金プランで市場と連動した電気料金プランを用意している電力会社があるため、よりDRを行った効果を感じることができるようになっています。

高圧契約(法人)の市場連動型を用意している電力会社

これは、30分おきの市場価格などを会社の中に表示しておき、価格帯に対応した電力活用を促すのに非常に効果的なシステムです。電気自動車やV2H、蓄電池などをフル活用するためには、このような市場連動型のプランへの変更が必要です。

会社内に現在の取引価格が表示される日本テクノのディスプレイ(高圧契約)

事務所・商店・飲食店など(法人電灯契約)

動力などを利用していない小規模な法人でも電灯契約で市場連動型が利用できます。Looopでんきの法人契約「スマートタイムONE」などが代表的なものです。

Looopでんきの新プラン スマートタイムONE!

個人契約で市場連動型プランのある電力会社

法人契約だけでなく、最近では個人契約でも市場連動型のものが登場しました。以下のLooop電気はその代表的なものです。

【Looopでんき】30分ごとに電源料金単価が変わる!

Looopでんきでは、「スマートタイムONE」という市場連動型の個人契約版です。

※他にも個人契約の場合は、多くの場合節電ポイントでの還元という方法が多くとられています。

これら電力契約を市場連動に変更するだけで、電力活用への意識が大きく変わってきます。DRに対応するためにはこのようなプランへの変更がお勧めです。これで、節電のタイミングで行動した場合の価格メリットが大きく出てきます。

EV、V2H、蓄電池などがあれば更に効果的なDRへ!

電力契約を市場連動型にすることで、かなりの意識改革につながり、これだけでも大きなDR活動となりますが、ここからさらに電気自動車(EV)、充放電設備(V2H)、蓄電池、太陽光発電などを活用する事によって、「ほぼ0円」や「低価格の電気代」の時間帯を伸ばしていく事が可能になります。

EVだけの場合を考えても、充電時間はタイマーで可能であるため、安い時間に充電する事で、ガソリン代の数倍~数十倍の節約につながります。

充放電設備(V2H)があれば、その安い時間に充電した電力を価格が高くなった時間に電力を自宅や会社、事務所に戻す事によって、低価格の電気を利用する事が可能になります。

V2Hなら充電だけでなく、EVから自宅や事務所へ電気を戻す「放電」も可能。

また、蓄電池があれば、この0円時間に充電するようにタイマーをかけておくことで、その時間に蓄電され、電気が高い時間は放電を開始して、電力会社からの電力を極力使わないようにすることが可能になります。

なぜ電気代は上がる一方なのか?

デマンドレスポンスという行動は節電への第一歩となるだけでなく、「電力」というものへの知識向上へとつながるものです。今後電気代は下がる要素がありません。これは気候変動や資源の活用方法、地質学的リスクなど様々な要因で上がっていきますが、実は一番の理由は「何も考えずに電気を使っている」というところが一番の問題点です。もし、より多くの人が「電気」に対してもう少し向き合った利用を進めて行くと、電気代はある時から下がっていく可能性があります。その一歩がDRという事になります。

電気を上手に活用していきましょう。

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About エレクトリックライフ編集長

電子回路・エネルギーの専門家。太陽光発電、エネルギー貯蔵、電気自動車やソーラーカーの研究を行う。これらの知見を活かし、2050年のカーボンニュートラルに向けた電力の有効活用を研究している。 弱電から強電まで広いエリアを専門として、エネルギー、特に電力の上手な活用を一般に広く広めるための活動も行っています。 保有車両:テスラモデルY2025前期

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