木曜日 , 10月 30 2025

スズキ プレスブリーフィング【JMS2025】

鈴木が掲げる新スローガン「Buy Your Side」とは?軽商用EV「E-Vision」からロボット連携まで、多角的な電動化戦略に迫る

2025年開催のジャパン モビリティ ショウ(JMS 2025)にて、鈴木株式会社は新たな中期経営計画に向けたコーポレートスローガン「バイ・ユア・サイド(Buy Your Side)」を発表しました。

このスローガンには、「常にお客様の側に立って発想し、お客様が欲しがっているものならどんなことをしてでも応えよう」という創業者の鈴木道夫氏の思いが100年以上にわたり受け継がれていることが込められています。

気候変動、人口減少、高齢化による人手不足、モビリティのAI化など、業界が大きな変化の渦中にある今、鈴木がこの「バイアサイド」の姿勢で世界中の人々にどのような「ワクワクのアンサー」を提案するのか、展示された具体的な電動モビリティやカーボンニュートラル戦略を中心に解説します。

「適所適材」のモビリティこそがCO2削減の近道

鈴木は、バイアサイドの姿勢に基づき、お客様一人ひとりに適した方法、そしてカーボンニュートラル(CN)に向けた適所・適材の取り組みを追求しています。

CN実現のため、それぞれの国や地域のエネルギー事情に応じて、EV(電気自動車)だけでなく、CNG(圧縮天然ガス)やCBG(圧縮バイオガス)、FFV(フレキシブル・フューエル・ビークル)なども活用するマルチパスウェイ(多様な選択肢)での実現に挑戦し続けています。鈴木は、お客様の生活に寄り添った「適所適材のモビリティ」こそが、CO2削減の近道であると考えています。

2026年度内の発売を目指す!軽商用EV「E-Vision」

地域事情に合わせたマルチパスウェイ戦略において、特に注目されるのが、鈴木の核となる軽自動車分野のEV化です。

今回ご紹介されたのは、軽商用EV「BV ビジョン E-スカイ(E-Vision)」です。

これは、通勤や買い物、休日の遠出など、生活の足として軽自動車を愛用するお客様の毎日に寄り添うBV(バッテリーEV)として、2026年度内の発売を目指すコンセプトモデルです。鈴木は、この軽商用BVを少しでも早くお届けできるよう準備を進めているとしており、今後の動向に期待が寄せられます。

走る楽しさをEVで継承する二輪モビリティ

鈴木は四輪だけでなく、二輪においても電動化を推進し、お客様に寄り添うモビリティを開発しています。

EVになってもワクワクを「E-VanVan」

EVファンバイク「E-バンバン(E-VanVan)」は、電動化されてもバイクに乗る楽しさ、操るワクワクを感じてもらい、お客様に寄り添いたいという思いから誕生しました。

電動アシストとEVバイクの融合「e-Po」

2023年のジャパン モビリティ ショウで展示された「e-Po(イーポ)」も進化を続けています。

e-Poは、電動アシストとEVバイクを掛け合わせた新ジャンルの原付一種相当のモビリティであり、こちらも2026年度内からの発売を目指しています

また、個性溢れる二輪車として、鈴木ファンに「走りの安心感と楽しさ」に寄り添うミドルクラスモデル「GSX-S1000AT」が日本向けモデルとして初公開されています。

——————————————————————————–

社会課題解決に挑む新コンセプト:ロボット連携とパーソナルモビリティ

鈴木のブースでは、高齢化や物流の課題解決に貢献する、ユニークな新ジャンルのモビリティも展示されました。これらは、長年培ってきた電動車いすやセニアカー(1985年発売開始で40周年)の技術 を活用して開発されています。

多様な用途に対応する足つきモビリティ「Koba 2」

「コバ 2(Koba 2)」は、車輪と4つの足を持つことで、階段の昇り降りが可能な小型モビリティです。平地では車輪で移動し、今回はそのプラットフォームをベースに、荷物配送仕様やバイク仕様など、多様な用途に対応できる様々なバリエーションが用意されています。

進化した電動パーソナルモビリティ「Slyde 2」

「スライド 2(Slyde 2)」は、2023年展示モデルから、楽しく軽快な気分になれるスタイリング、フレンドリーで扱いやすい操作性、「走る・曲がる・止まる」の基本性能が徹底的に磨き上げられました。まさに進化した電動パーソナルモビリティです。

ロボットの足回りを目指す「ミトラ コンセプト」

最も注目すべき未来へのアンサーの一つが、多様なロボットの足回りとして活用されることを目指して開発中の電動モビリティ「ミトラ コンセプト」です。

これは、長年培ってきた電動車いすの技術を活用し、鈴木のモノづくりの理念である「少・省・軽」を象徴する新たなモビリティです。

ミトラ コンセプトのプラットフォームに、外部企業が自立走行やAIなどの技術を組み合わせることで、物流、農業、設備点検など、様々な用途に対応したロボット開発が可能になります。

また、株式会社ソラ(SORC)様の通信機を搭載することで、現場の状況把握やロボットとの共同作業を効率的に行う環境を実現し、ロンビー株式会社様、オムロン株式会社様、株式会社HBA様のロボットとの連携展示も行われています。

——————————————————————————–

カーボンニュートラル実現に向けたマルチパスウェイの挑戦

鈴木は、EVだけではなく、地域ごとの課題に寄り添った多様な選択肢を推進しています。

ブースでは、四輪・二輪・船機(1965年発売開始で60周年)におけるFFV車両や水素エンジンを搭載した「バーグマン」、そしてインドでの取り組みが紹介されました。

インドでのCBG(圧縮バイオガス)事業

鈴木は、インドの力強い成長に寄り添いながら、カーボンニュートラル社会の実現に向けてCBG(圧縮バイオガス)事業に積極的に取り組んでいます。

インドの酪農組合の方々との共同プロジェクトとして、バイオガスプラントの試運転を開始しており、ブースではそのミニチュアや、インドの最新SUV「ビクトリス」のCNG・CBG仕様車、二輪スクーター「アクセス」のCNG・CBG仕様の研究開発車が展示されました。

世界中の「あなた」に寄り添い続ける

鈴木が今回発表した製品や技術には、ワクワク、元気、個性など、お客様一人ひとりに寄り添う新しいモビリティ社会の実現に必要な要素が数多く詰め込まれています。

鈴木グループは、新しいモビリティ社会がまだ始まったばかりであるという認識のもと、**「世界中のあなたにワクワクのアンサーで寄り添い続ける」**という強い思いを持って、これからの挑戦を続けていくとしています。

関連リンク

スズキ (JAPAN MOBILITY SHOW 2025 特設サイト)

About Electric Manager

大学時代に電子工学を専攻し、電気自動車やソーラーカーの研究を行う。 電気工事士の資格も持ち、自動車メーカーでの電気自動車関連の仕事や電力会社での電気工事、その後は充電スタンドV2Hの営業など弱電から強電まで広いエリアを専門としています。

Check Also

JAPAN MOBILITY SHOW 2025 #JMS2025 ELECTRICLIFE エレクトリックライフ

Hondaブース プレスカンファレンス「Hondaが描く未来のモビリティ」

JAPAN MOBILITY SHOW 2025にて、ホンダが次世代EV「Honda 0シリーズ」を世界初公開。ゼロベース開発のSaloon、SUV、Alphaのプロトタイプ詳細や、2輪EV、宇宙への挑戦など、ホンダの「Power of Dreams」の全貌を紹介します。