日曜日 , 3月 3 2024

なぜ電化していかなければならないか?

脱炭素社会実現は電力の活用がカギ!

日本は、2050年までにカーボンニュートラルを目指すとしています。脱炭素実現のために欠かせないのが電力の活用です。2020年の段階では、日本の発電所のおよそ8割は火力発電所であり、これらは原油、石炭、LNG(液化天然ガス)などを燃料として電力を作っています。

横浜火力発電所 ELECTRICLIFE エレクトリックライフ

「電気を使うという事は化石燃料を使っているからエコではない?」という声も聞こえてきますが、だからこそ身の回りで私たちが使っている化石燃料の直接利用を止めて、電力を使っていく必要があります。

風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーについては、急ピッチでそのシェアを広げているものの、2030年の段階で非化石燃料の割合は60%程度となっています。それでもこの数値は驚異的であり、かなり野心的な目標値です。

資源エネルギー庁 ELECTRICLIFE エレクトリックライフ

電力にすることでエネルギーの量が見えるようになる

冬などは家庭でも暖房器具を使う事が多くなります。灯油などの化石燃料を使う場合、エネルギーの消費については漠然としか分かりませんが、電化することにより、そのエネルギーの使用量を細かくチェックすることができるようになります。まずは「見える化」することで、何となくエネルギーを消費してしまうのではなく、効率よくエネルギーが使えるようになります。

最近では、スマートエナジーハブなど、後付けでも簡単に電気使用量を計測でき、コントロールできるIoT機器なども発売されています。

配電盤などに入れるタイプもある

電気はコントロールが可能になる

このように、私たちの身近な生活に必要なものを電化していく事により、エネルギーの消費状況などが細かくデータとして取れるようになり、これらを活用して効率的な節電などを自動でプログラムすることなども可能になります。各種センサーなどと組み合わせて、無駄な電力利用を抑え、必要な時に必要な量のエネルギーを利用できるようになります。蓄電池などと併用すれば、それら電力が安い時間に充電しておき、最も電力が高くなる時間や使用料が多い時間に放電していくなどスケジューリングも可能になります。

電力の有効活用は節電に繋がり、それは化石燃料を使っていた暖房器具や給湯器などで利用されていたエネルギーの多くの部分をカバーします。そして現在発電所が過剰に発電した電力を大型蓄電システムで蓄電しておき、ピーク時に利用するなどの技術も実用化が始まっています。

内燃機関車から電気自動車へ

身近な化石燃料の利用として真っ先に頭に浮かぶのが、自動車です。これもエネルギーを電化することで効率よくエネルギーを利用することができます。しかも走行時にエンジンに必要な「エンジンオイル」なども必要なくなるため、更に環境負荷と経済負荷を軽減できます。電気は元々化石燃料で作られています。でも、それをどこで使うかはとても重要です。

電気自動車(EV)になれば、まずは市中からCO2を削減していく事ができます。そして火力発電所にCO2がまとめられます。発電所のエネルギーミックスは2030年には化石燃料の利用率が40%になると予想されています。再エネなどに置き換わっていくため、発電所でのCO2削減が進むわけです。

資源エネルギー庁 ELECTRICLIFE エレクトリックライフ

「EVは製造時に沢山CO2を排出する」は嘘

EVはその製造工程が従来の自動車と違うため、工場を新設したり大幅な製造機器の変更が必要になります。メーカー各社はこの新工場を「カーボンニュートラル化する」と公言しています。つまりEVの生産工場は最新の設備でCO2排出量をネットゼロに近づけていってます。また部品点数も内燃機関車がおよそ3万点に対して、電気自動車は1万点となり、これは単純に考えても下請け工場の数が圧倒的に削減され、それら工場から排出されるCO2も削減されます。

テスラ ギガファクトリー Tesla gigafactory ELECTRICLIFE エレクトリックライフ
テスラのギガファクトリーでもCO2削減が進んでいる

自動車用のバッテリについても同様です。CATL、LG Energy Solution、Panasonic Energyなど業界をリードする企業が新設している工場は工場自体でカーボンニュートラルを実現、または排出量を最小限に抑えています。

内燃機関車のエネルギー源である「ガソリン」は日本に輸入してきた原油を国内の製油所でガソリンに精製しています。ここで精製されたガソリンもまたCO2を排出しながら各地にあるガソリンスタンドへと運ばれていきます。EVのエネルギーである電気はどうでしょうか?電力は送電線で運ばれてきて、自宅や商業施設などでエネルギーを充填できます。

直流の取り扱いなど新しい技術も必要

再生可能エネルギーは電力を直流(DC)で得ることができます。その為、DCの取り扱いに関する新しい技術も登場してきます。現在家庭への送電は交流(AC)という形ですが、DCでの送電なども研究されています。

これからは電化が進むことにより、多くの電気系エンジニアが必要になってくるでしょう。電気系の作業は危険が伴うため、その多くは国家資格になっています。これらの資格にも今後はDCの取り扱いに関する項目が沢山盛り込まれてくるでしょう。

従来化石燃料に携わっていた人たちは、電化により新しく生まれる業務へのシフトが行われていくでしょう。

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