土曜日 , 4月 27 2024

もっと機能してほしいテスラパワーウォール

初めて発令された「需給ひっ迫警報」

経済産業省は3月22日の電力需給が厳しい状況を迎えることを受け、「需給ひっ迫警報」を発令しました。

これは、3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震の影響により、火力発電所の一部で運転が停止されていることと、関東地方で気温が下がることから電力需要が一気に上がるために電力不足に陥るという事で発令されました。

21日の段階で、JPEX(日本卸電力取引所)で発表されるkWhあたりの電気料金も朝7時くらいから23時ごろまで1kWhあたり、一律80円という驚愕の卸価格となっています。

日本卸電力取引所 エレクトリックライフ ELECTRICLIFE.JP
2022年3月22日の時間帯による電力卸価格(JPEX)

テスラモデル3のモニタにもこのような節電を呼びかけるメッセージが表示されました。

Tesla Model3節電 ELECCTRICLIFE.JP

こういう時に役立つはずだったパワーウォールが・・・

我が家にはテスラ・パワーウォールが入っているため、こういう時に役立つはずです・・・・が、実際はそんなに甘くはないのです。私が住む埼玉県では3月22日雪が降りました。太陽光パネルと蓄電池を搭載している我が家では、「自家消費モード」にして、電力の自給率を上げています。昼間太陽光で充電した電力を夜の時間に使うのです。

パワーウォール エレクトリックライフ ELECTRICLIFE.JP

太陽光パネルは曇りの日でもある程度充電してくれますが、今回のように「雪」が降ってしまうとお手上げです。屋根に乗った雪は意外と早く溶けるのですが、太陽光パネルに乗った雪は綺麗に残ってしまいます。

太陽光パネルと

周辺の家の太陽光パネルを見てもやはり雪が残ってしまっています。

パワーウォールが自家消費モードだとこのような事になります。なぜなら、日中太陽光からの電力を充電するため、夜に電気を使い切って、深夜はオール電化の安い電力(1kWh/12.28円)を使います。太陽光パネルを搭載していない人がパワーウォールを使う場合、オール電化なら、この深夜電力をパワーウォールに蓄えて置き、これを昼間と夜間の電気が高い時間に使います。この使い方を行っている人は、3月22日の夜間、停電が起こっても全く問題なく使えることでしょう。

災害時に発動するはずのストームウォッチが起動せず

テスラパワーウォールには台風などの災害時に起動する「Storm Watch」という機能があり、重大な悪天候に備えて自動的にパワーウォールをフル充電して停電に備えてくれるのですが、今回のようなケースの場合を想定していないようで、何も起こりませんでした。そうなると、雪で覆われた太陽光パネルからの充電が無いため、昼間全く蓄電されず、念のため10%のみを残す設定にしているため、1.3kWhだけ電池が残っています。

パワーウォール ELECTRICLIFE.JP

現状では、21日の段階で警報が出るといわれていたので、手動で時間帯別制御モードにしておけば、いつもの自家消費モードではなく、深夜電力の電気が安い時間に蓄電して、朝にはフル充電の状態にしておけばよかったという事になります。この辺り、自動化されてくるとよいのですが・・・。

パワーウォールに付けてほしい通知機能

パワーウォールの機能はちょこちょこ追加されているものの、一番重要な電力供給を効率的に行う機能が全くアップデートされません。今後は「需給ひっ迫警報」などにも対応してほしいところです。

できればこういう警報が発令された場合、テスラアプリから「危機が迫っています、パワーウォールを満充電にしますか?」なんて通知を出してもらって、「はい」とすれば満充電、特に必要なければ「いいえ」でいつも通りのモードで運用にすれば、ストームウォッチが災害頻度のデータを取りつつ、その人にあった利用方法に合わせることができます。

データを取りつつ、AIが自動的に判断する

これなら、台風だけでなく、いろいろな災害が起こるたびにちょくちょく通知してもらえれば、AIの学習データもそろってくるはずです。そうすれば設定に「AIに任せる」の選択肢をつけておけば、これら過去の学習から、自家消費モードで運用しているのだけど、明日は雨だから深夜にフル充電しておき、翌日は晴れだから充電しないなどAIが最適化を図ってくれるでしょう。AIに自信がない時はオーナーに「こういう提案はどうでしょう?」と聞くみたいな。

災害時に役に立つはずの蓄電池ですが、ソフトウェアの開発をもう少し進めてくれないと、こういった有事の際には役立ちません。

是非ともパワーウォールのAIも進化させてほしいところです。



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