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テスラを超えるか?米EVスタートアップLucid(ルシード)

テスラモデルSを開発した技術者がCEO

ルシード・モータースは2005年に設立された電気自動車の開発を行う企業です。元々はAtievaという名称でしたが、2013年にテスラのモデルSの開発チームにいたピーター・ローリンソンをCTOとして迎え入れ、2016年に彼がCEOになる際にルシード・モータースと改名しました。

LUCID AIR ルシードモータース エクレトリックライフ ELECTRICLIFE.JP

テスラが米国市場でモデルSの納車を開始したのが、2012年6月ですから、ピーター・ローリンソンは開発を終えてすぐに移動したという事になります。

カリフォルニアのベイエリアにあるHQ

ルシード・モータースの本社は、サンフランシスコ湾岸のいわゆる「ベイエリア」と呼ばれる場所にあり、シリコンバレーの北東部、アラメダ郡のニューアークにあります。

2017年にはアリゾナ州カサグランデにルシードモータースの量産工場を建設し、2020年半ばまでに最大で2000人の雇用を生み出すと発表したものの、COVID-19のパンデミックなどの影響を受けその工事は遅れ、2020年の12月に建設が完了して量産体制が整いました。

LUCID AIR ルシードモータース エクレトリックライフ ELECTRICLIFE.JP
ルシードモータースがアリゾナ州カサグランデに建設した工場

工場が稼働すると、2021年7月にはNASDAQ上場を果たし、量産モデル「Lucid Air」の生産が2021年9月から始まりました。

納車は2021年10月30日から開始されカリフォルニアで「Dream Delivery」としてイベントが開催されました。このイベントで納車されたのはLucid AirのDream Editionで、限定520台の生産となっているこのモデルも2022年3月の段階ですべて納車には至っていません。

昨今の半導体不足や困難な部品調達事情から、バックオーダーは1万7千台を超えているものの、2021年度の納車台数はたったの125台にとどまり、2022年の納車予想も当初の20,000台から12,000~14,000台へと下方修正を行っています。

世界最高クラスのEV性能

米国のEVベンチャー企業として、誕生したルシード・モータースが2016年に初めて「Air(エア)」という最初の量産モデルを発表しました。発表段階からその性能はテスラの性能を上回るもので、本当にそのスペックを達成できるかが注目を集めました。

Lucid Air ルシッドエアー エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

満充電での航続距離は118kWhの大容量バッテリを搭載することにより、EPAサイクルで520マイル(836km)を達成しています。また、800Vのシステム電圧で、最大300kWの充電性能を実現し、それは20分間で300マイル(482km)分の電力をチャージできることを意味しています。実際の走行スペックも高く、0 -60mph ( 97km/h)は2.46秒、1/4マイル(400m)は9.67秒という驚異的な数字を記録しています(※この速度は21インチホイールパッケージで記録)。

Lucid Air ルシッドエアー エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

今後のEV市場の高級車セグメントとして地位を築くか?

現在世界のEV市場に登場してきたEVベンチャーや既存の自動車メーカーから発売されている車種として最も多いのがSUVで、価格も5万ドル~8万ドル(日本円で500万~800万円)クラスが多い中、すでに納車が始まっているDream Edtionに関しては16万9千ドル(日本円で約1900万円)となっているため、高級車の位置付けとなります。

もちろん価格を裏付けるラグジュアリーな内外装デザインとなっていて、居住性と開放感のあるインテリアだけでなく、トランクやフランクも広いスペースが確保されています。

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大衆車セグメントのリリースを目指し、世界のEV化をリードするテスラに対して、今後ルシード・エアがどのような地位を確立していくかに注目です。

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