SUVとピックアップトラックEV専門
リヴィアン・オートモーティブ社は米国のカリフォルニア州アーバインに本社がある電気自動車(EV)のメーカーです。Amazonが配達用のバンを10万台発注したことでも話題になっています。
本社はカリフォルニア・工場はイリノイ
本社はカリフォルニア州ロサンゼルスの南東にあるアーバインという街にあります。生産を行っている工場はイリノイ州のノーマルという街にあります。
ここは元々北米展開している三菱自動車の米国法人ミツビシ・モーターズ・ノースアメリカが操業していた工場で、アウトランダーなどを生産していたため、電動車を製造するのにも都合がいい工場になっていました。2017年にリヴィアンが買収し、そのまま従業員も一部引き継いで操業を開始しています。
2021年にはピックアップトラック「R1T」がこの工場から初めて出荷され、いよいよリヴィアンのEVが世に出回ることになりました。
2021年11月には新規株式公開を行い、市場から大量の資金調達に成功し、今後ジョージア州に50億ドルを投資したサステナブルな生産拠点としての新工場を建設することを予定しています。
SUVとピックアップトラックのEV
リヴィアンの特徴は、SUVとピックアップトラックというオフロード車のEVに注力しているところです。現在発売されているSUVのEVは、街乗りが中心で悪路にも対応したものが殆どですが、同社は「アドベンチャー・ビークル」と名付け、本格的なオフロード走行などに耐えられる設計に注力しています。
ピックアップトラック「R1T」
EVになったピックアップトラックはその性能に驚かされます。まず最も気になる走行距離ですが、バッテリーパックをスタンダード・ラージ・マックスパックと3段階用意し、実用使いの厳しい基準であるEPAサイクルにおいて、それぞれ、418km、505㎞、675kmというロングレンジでの利用が可能になっています。
走行性能も高く、デュアルモーターとクアッドモーターが用意され、ピックアップトラックなのに、0-60mph(0-96km/h)を最高3秒という信じられない加速を持ち合わせています。購入時に全天候タイヤやロード専用、スポーツタイプと3種類から選択が可能です。
ドライブモードも8つの状況に合わせて変更が可能で、その走り方により、サスペンションの高さ、ステアリングレスポンス、アクセルペダルの反応などが調整され、最適な走行性能が提供されます。岩場を行くロック・クローリングや沼地など過酷な環境に対応するドライブモードも用意されています。最大5トンまでの牽引も可能です。
これらを実現しているリビアンのEV専用プラットフォームは過酷な環境下で耐えうる安全性も兼ね備えています。様々な環境に対応するため車両性能を自在に変更させることができるプラットフォームはサスペンションやバッテリーパックを一体にし、高い性能を発揮します。
インフォテイメントシステムも車内のエンターテイメントから車両のセッティングまでを大型液晶モニタで一元管理し、走行性能が表示されるメーター部分にも大型の液晶を配置しています。
車内空間も広く、フロント・リア共に十分な広さを有しています。車内のセンターコンパートメントをはじめ、シート下のコンパートメントなど収納も多く有しています。
ピックアップトラックならではのオープンな荷台(トラックベット)の他、バックなどを収納するユニークなリア収納にエンジンを搭載していないEVならではのフロント収納があります。
SUVタイプの「R1S」
こちらのSUVも街乗りSUVが多い中、オフロード走行性能を意識したつくりのSUVに仕上げていて、その走行性能も高くなっています。バッテリーパックはスタンダードとラージパックが用意されていて、こちらも実走行距離としての厳しい基準であるEPAサイクルにおいて、それぞれ一充電で418km、508㎞と十分な航続距離を達成しています。
ピックアップトラック同様AWDのみ用意され、DualモーターまたはQuadモーターが選択できます。こちらも0-60mphで3秒を達成しています。牽引は3.5トンまで可能で、ピックアップトラック同様に8種類のドライブモードで路面状況に最適化された走りを提供しています。
ピックアップトラックのように高い走行性能を持ち合わせていて、更に街乗りも意識し、安全性能やドライバーアシストとして、高速道路でのレーンキープやクルーズコントロール、衝突回避性能などが更に高い次元で設定されています。
家族での利用などを意識してシートアレンジに7人乗り仕様も用意されています。
家族でレクリエーションを楽しむ用途としてキャンプ用のオプションなども用意され、人気を集めています。
バンタイプも発売を予定
Amazonが発注した配達用のバンにはAmazonのAlexaが搭載され音声コントロールも可能になっています。すでにロサンゼルスで運用が開始され、今後全米へとデリバリーが始まります。
このバンタイプの車両については、2022年度中に一般企業へも販売を行うとしていて、今後は効率的な充電インフラの整備と共にビジネスのエリアでの普及を目指していくようです。
既に大量のバックオーダーを抱えている、ピックアップトラックとSUVは2021年末の段階で7万台を超えていて、その予約台数は更に増加しています。イリノイ州の向上については年間の生産キャパが20万台となっているため、十分な生産能力を有しているも、ジョージア州にさらなる工場の建設を予定していることから、すでにアマゾンからの10万台の受注があり、その納期目標が8年後の2030年までに完了することを目標としていることから、今後一般企業からのバンの注文が増えれば、新工場の稼働も急務となります。
日本発売は未定ですが、車両のサイズ感を見ても日本市場には合わず、今後日本市場に向けた展開は全く考えていないと予想されます。
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