【JMS2025速報】6輪フラッグシップが示す未来!トヨタグループが挑戦する「360°モビリティ for All」
トヨタグループ館が示す「誰か」のための大発明
東京ビッグサイトで開催されたジャパンモビリティショー2025にて、トヨタグループはトヨタ、ダイハツ、レクサス、センチュリーの4つのブランドを集結させた「自称」トヨタグループ館を東京ビックサイトの南館1Fに展開しました。
グループの発表の根底にあるのは、「Mobility for all」の実現という目標です。しかし、単なる最大公約数的なモノづくりではなく、「誰か1人、あなたの顔を思い浮かべて」そこを目がけて作る「To You (あなた目がけて)」の精神が強調されました。
この精神は、若き日の豊田佐吉が苦労する母のために発明した木製の機に始まり、時代に合わせて人々の生活に合わせて形を変えてきたカローラに象徴されています。

2. 多様なニーズに応えるトヨタの革新的コンセプト
トヨタブースでは、従来の自動車の概念を超えた、様々なニーズに応えるモビリティが提案されました。
未完成で出荷される大発明:IMVオリジン
アフリカの農に住む人々を思い描いて企画されたIMV Originは、衝撃的なアイデアが盛り込まれています。

1. 未完成のまま工場を出荷する:現地で組み立てることで、アフリカに新しい仕事(雇用)が生まれます。
2. 土台部分のみを提供:この車は、人を乗せるのか、荷物を載せるのか、使い方はお客さま一人ひとりに委ねられています。あえて作りきらないという、暮らしや仕事の多様なニーズに応える挑戦です。IKEAの家具のように届き、比較的安価に手に入れられるメリットもあります。
陸上を拡張する特殊モビリティ
また、足が不自由な人もそうでない人も一緒にスポーツができるようにと提案されたブーストミー(テニスCMに登場)や、ランドクルーザーをイメージした車椅子チャレンジミーが展示されました。

特に注目すべきは、車輪ではなく4足歩行を実現したモビリティです。
• ウォークミー:座っている状態から立ち上がる動作など、仕草にまでこだわった4足歩行モビリティで、車椅子では難しかった階段の昇り降りや狭い場所の通行を可能にします。
• チビモ:静かに丁寧に荷物を運ぶための小型モビリティ(こちらも4足歩行)です。
さらに、AIと自動運転により子供たちを移動させ、世界を広げるキッズモビも開発されています。
3. ダイハツ:小さいからこそできる「大発明」
ダイハツは、「小さいからこそできること」という哲学のもと、トヨタにはできない独自の挑戦を続けています。

• ミゼットとMi-X:1950年代に街の声を聞いて生まれた初代ミゼットから、未来のMi-Xへと続く、困っている人を見つけ「何ができるだろう」と考えるモノづくりが継承されています。

• FRオープンスポーツ:コペン:軽自動車の小さなボディでFR(後輪駆動)を実現することは、開発者たちの知恵と工夫が詰まった「とんでもないこと」だと評されました。豊田章男会長がダイハツのマスタードライバーに就任するというニュースもあり、新しいコペンへの期待が高まっています。

また、トヨタとダイハツは連携して、運ぶモビリティである通い箱(Kaibako)を開発中であり、大きな箱はトヨタが、小さい箱はダイハツが作る体制で、実現に向けて近づいています。

4. レクサス:ラグジュアリーの概念を再定義する「6輪のLSコンセプト」
レクサスは、センチュリーがトヨタの最高峰に立つことで、ラグジュアリーの中心で「さらに自由に進化できる」立ち位置となりました。レクサスの挑戦は、カーブランドとして初めての試みを含め、新たなラグジュアリーライフスタイルの発見につながることを目指しています。
衝撃のフラッグシップ再定義
レクサスは、フラッグシップの概念を再定義しました。従来のラグジュアリーセダンやSUVではなく、ラグジュアリースペースとしてのニューLSコンセプトを発表しました。

このLSコンセプトの最大の特徴は、そのパッケージングにあります。広い室内スペースとスムーズな乗り降りを実現するため、合計6輪の車両として登場しました。後部座席は「車とは思えないようなラグジュアリー空間」となっており、2列目と3列目が非常に大きなスペースを占め、2列目が回転して向き合うことで、プライベートな打ち合わせ空間としても利用可能です。
陸・海・空 360°のモビリティへ
レクサスの未来は「車作りだけにとどまりません」。都市の制約から解放され、360°のモビリティを目指します。
• 空:長年協業してきたジョビー(Joby)との取り組みにより、自由という新しい価値をもたらします。
• 海:真のエスケープを実現する自動航行カタマラン(海上のモビリティ)も提案されています。

また、没入体験を味わうレクサススポーツコンセプトや、走る楽しさと後席のくつろぎを両立するLSクーペコンセプトも展示され、多様性を重視するブランドの姿勢が示されました。
センチュリー:日本が次なる100年を作る「ジャパンプライド」
トリを務めたのは、新たにブランドとして立ち上がったセンチュリーです。豊田章男会長は、センチュリーは単なる最高級車ではなく、「日本を背負って生まれた」車であると述べました。
その開発のルーツは、戦後の復興期、豊田喜一郎が目指した「民主主義自動車工業国家を建設し、平和日本を再建し、世界文化に寄与したい」という強い思いにあります。
章男会長は、初代センチュリーを開発した中村健の「同じでないこと、流行は追わない」という姿勢を引用し、センチュリーは「ジャパンプライド」を世界に発信していくブランドに育てたいと決意を表明しました。

展示された、生命力や太陽をイメージしたヒ色(黄色)のセンチュリーは、その新しい挑戦の象徴です。センチュリーは、その名の由来とされる明治100年、または豊田佐吉生誕100年に加え、「次の100年を作る」という意味を持つと語られました。
グループ一体となった未来への挑戦
プレスブリーフィングの最後には、豊田章男会長、佐藤浩司社長をはじめとするトヨタグループの関係者が登壇しました。
章男会長は、トヨタグループがこの会場を一体となって利用できたチャンスに感謝を示し、それぞれのブランドが「どの商品に対しても本気」であることを強調しました。
- トヨタ:世界中のお客さま一人ひとり(To You)
- ダイハツ:何でもやっちゃう、おもろいことをやる
- レクサス:かっこいいが、長男の気持ちは抜けた
- センチュリー:日本のプライド、ワンオブワン
グループは、日本の自動車産業が持つ「モノづくりの技能」や「日本の力」を誇りとして、共に未来を作っていく「ワンチーム感」を訴えかけました。
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