火曜日 , 2月 10 2026

【試乗レポート】SUZUKI初のEV「eビターラ」はどうなの?

スズキ満を持して発売したEVの実力は?

スズキは2023年、インドで開催された「Auto Expo 2023」でスズキのEVコンセプトモデルとして「eVX」を発表。その後2024年11月にイタリアミラノで量産モデルとなる「eVITARA」として正式に発表し、2025年までに市販化を計画しているとしていました。

計画からやや遅れた2026年1月16日、日本で正式に発売が開始されました。SUZUKIは2030年までの成長戦略の中で、EVを6車種投入するとしています。その第1弾がようやくリリースされました。

スズキのSUVと言えば、2024年まで発売していた「エスクード」が有名ですが、その後、後継のフロンクスがあります。この「eビターラ」は果たして日本市場でどのように受け入れられるでしょうか。試乗レポート

最初に思う、変わった名前「eビターラ」とは?

まず、「ビターラ」という名前はなんなんでしょう。名前の由来は「Vitality(バイタリティ)」という事で、生命力とかエネルギッシュといった意味が込められているようです。元々はエスクードの海外版の呼び名が「ビターラ」だったようで、名前には古い歴史があるようです。

Emotional Versatile Cruiserというコンセプトの正体

e VITARAが目指したのは、単にガソリン車を電気に変えただけの車ではありません。コンセプトは「Emotional Versatile Cruiser(エモーショナル バーサタイル クルーザー)」。

デザインを一目見れば、その意図は明らかです。 先進的なBEVのスマートさと、SUVらしい力強さ(タフネス)が高い次元で融合しています。大径タイヤとロングホイールベースが織りなすスタンスは、都市部の洗練された風景にも馴染みつつ、週末の泥臭いキャンプ場でも圧倒的な存在感を放ちます。ウェブサイトや写真などで見ると、タイヤが小さく見えてしまうのは、ボディの重厚さが伝わってくるからでしょう。実際には、写真より18インチのGOOD YEARのタイヤはしっかりとした存在感があります。

EV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」がもたらす恩恵

車の基本性能を決定づける骨格には、新開発の「HEARTECT-e(ハーテクト・イー)」が採用されています。

これは、軽量・高剛性な車体構造として評価の高い「HEARTECT」を、BEV専用に再構築したものです。

  • バッテリー保護と安全性: 骨格部材としてバッテリーパックを活用し、高電圧保護と車体剛性を両立。
  • 広大な室内空間: オーバーハング(タイヤから端までの距離)を切り詰め、ホイールベースを長く取ることで、クラスを超えた居住性を実現。

「床下にバッテリーがあるから狭い」というこれまでのEVの課題を、スズキのパッケージング技術が見事に解消しています。

オフロードの常識を変える電動4WD「ALLGRIP-e」

本記事で最も強調したいのが、この「ALLGRIP-e(オールグリップ・イー)」です。これこそが、他社メーカーのEVとe VITARAを決定的に分ける「スズキの魂」です。

従来の4WDとの違い

従来の機械式4WDとは異なり、e VITARAは前後独立した2つの「eAxle(イーアクスル)」モーターで駆動します。プロペラシャフトがないため、瞬時に、かつ緻密に前後のトルク配分をコントロールできます。

アウトドアに向かう車として心強い「Z4WD」

山などに行った場合、従来のガソリン車なら下り坂ではエンジンブレーキが必須になります。電気自動車は回生ブレーキによる発電とモーターによる安全なブレーキを実現していますが、それに加えZ 4WDにより下りでの速度を一定にたもち、加速をおさえます。

パワートレインとバッテリースペック

実用性を左右するバッテリーとモーターについても確認しましょう。

項目スペック・特徴メリット
バッテリーリン酸鉄リチウムイオンバッテリー (LFP)安全性が高く、耐久性に優れる。コストパフォーマンスも良好。
容量49kWh / 61kWhライフスタイルに合わせて選択可能。
駆動方式2WD / 4WD (ALLGRIP-e)街乗りメインなら2WD、アウトドア派は4WD。
eAxleモーター・インバーター・ギア一体型コンパクト化により、室内空間や荷室容量を圧迫しない。

実際の航続距離はどうなるか?

まず、バッテリー容量については49kWhと61kWhの2種類を用意していて、最低でも49kWhを確保しているのが素晴らしいところです。WLTCモードでの航続距離は49kWhで433km。61kWh搭載には2WDと4WDがあり、2WDが520kmとしています。4WDで472kmとなっています。

※200Vの充電ケーブルは標準装備。

ここで実用使いを考えた当サイトの予想は、エアコンを使用し、エンターテイメントを楽しみながら利用した場合は49kWhで330km程度、61kWhの2WDでおよそ400km、4WDでおよそ360km程度と予想します。

先進のインテリアと安全性

インテリアは「High-Tech & Adventure」をテーマに掲げています。

  • 一体型ディスプレイ: 先進的なコックピット感を演出。
  • タフな内装: 傷や汚れを気にせず使い倒せるSUVらしい質感。

液晶モニタはセンターのインフォテイメントシステムとして、GoogleMapでのナビゲーションと、基本はApple Car Play とAndroid Autoにまかせた形になります。ドライバー用のモニタには、助手席の人がインフォテイメントを操作しているときにドライバーが地図を見れるように専用MAPが表示され、また車両の状態がわかるようにもなっています。

リアシートもしっかり広く、シートも合皮とファブリックで美しくデザインされたものになっています。フロントのシートは電動リクライニングにシートヒーターが標準装備されています。

そして、車内での滞在をさらに充実させるインターフェイスも充実していて、1500WのV2L、USB、HDMIなど様々なシーンでの活用を期待させる内容になっています。

3種類の走りの性能

走りには3種類のモードが用意されていてい、ECOモード、NORMALモード、SPORTSモードの3種類。試乗して分かったことは、日常的にはECOモードでいて、加速が必要な時にSPORTSモードにしますが、ECOモードからNORMALモードへの切り替えでは加速に大きな違いを感じるも、SPORTSモード時は踏み込んだ最初の加速が少し良くなる程度で、その後の伸びはあまり感じられませんでした。とはいっても、そもそもECOモードでもよい加速感があり、ECO、NORMALモードでの使用が中心となりそうです。そしてアウトドアに最適な車だけに、SNOWモードがついているのもうれしいところです。

e VITARAはこんな人におすすめ

スズキ e VITARAは、単なる「エコカー」ではありません。「地球環境に配慮しながら、道なき道をも楽しみたい」という欲張りな願いを叶える一台です。

【e VITARAがハマる人】

  • キャンプ、スキー、釣りなど、アクティブな趣味を持っている。
  • EVに興味はあるが、雪道や悪路での走行性能に不安があった。
  • 先進的なデザインと、道具としてのタフさの両方が欲しい。
  • 信頼性の高い日本メーカーのBEVを選びたい。

スズキの電動化で見る本気度

スズキといえばジムニーやエスクードなどコンパクトなSUVに強いイメージをeVITARAでもその強さを引き継ごうとしています。このサイズのSUVとしては、価格帯もかなりお得になっているため、同サイズの海外勢のSUVと比較してもアドバンテージが高いモデルとなります。

なにより、やはり国産車の良いところはディーラーがあちこちにあるところ。スズキといえば、スズキアリーナが各地にある安心感もあります。最初のEVとしては最高の選択肢の1つになりそうです。

次はこの車で雪道性能を試してみたいものです。

今回試乗させていただいたスズキアリーナ

今回試乗させていただいたのは、東京都西多摩郡瑞穂町のスズキアリーナ瑞穂にある4WDの試乗車でした。まだ過渡期の日本のEV市場で、自社のEVをしっかり説明できるスタッフにあまり出会わないのですが、ここのスタッフさんは非常にEV知識があり、安心してまかせられる店舗です。eVITARAの4WDを検討しているなら、こちらの店舗で試乗が可能です。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

>>スズキアリーナ瑞穂公式サイト

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About エレクトリックライフ編集長

電子回路・エネルギーの専門家。太陽光発電、エネルギー貯蔵、電気自動車やソーラーカーの研究を行う。これらの知見を活かし、2050年のカーボンニュートラルに向けた電力の有効活用を研究している。 弱電から強電まで広いエリアを専門として、エネルギー、特に電力の上手な活用を一般に広く広めるための活動も行っています。 保有車両:テスラモデルY2025前期

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