EVの情報が見れる便利なOBD
OBD(On Board Diagnosis)は自動車に搭載されたコンピュータやEVのバッテリに関する情報、各種センサからの情報を詳細に表示し、車の状況を細かく把握できる便利なツールです。主に故障診断などに用いられるツールです。
最近では車両側に取り付けて、BluetoothやWiFiなどの電波でスマホのアプリに飛ばして表示させる格安なOBDが発売されていて、海外サイトなどで手軽に購入できます。
入手できるOBDの殆どが技適未取得
しかしながら入手できる格安のOBDの殆どが日本の電波法にある技術基準適合証明を受けておらず、これらを無許可で使用していた場合、日本では電波法違反になる場合があります。
技適未取得の無線機器で運用した場合の罰則
この場合電波法第110条に抵触する場合があり、その場合の罰則として「1年以上の懲役または100万円以下の罰金の刑」に処されます。(本頁末の電波法第4条も参照の事)
微弱な空中線電力であるため罰せられずに運用している人も散見されますが、これらが発覚するのは殆ど国民からの告発によるものであり、動画サイトやウェブサイトなどに公開している日付と総務省への申請記録が合わない場合などは証拠が揃い、総務省も動かないわけにはいかなくなるわけです。
近年、総務省での違法局の運用に関する取締はかなり強化されています。
電波利用環境保護周知啓発強化期間の啓発ポスターも、知名度の高いタレントを起用するなどして注意喚起を行っていたり、本記事の主題である技適未取得機器の届け出をネットで簡単な手続きで行えるようにしたこともあり、今後ますます摘発の手を強めていくことでしょう。
不法無線局の摘発は所管の総合通信局により実名で毎月のように公表されてしまいます。
技適未取得機器も届出で使用可能に!
近年デジタル機器の普及により、IoT(インターネットに接続される機器)製品も多数開発されていることから、これらを有効に活用していくには、それらの有効性などの実験を行う必要もあるため、法律が改定され、技適未取得機器も実験を目的としたもので短期間であれば利用可能になっています。
手続きはマイナンバーカードによる認証でネットから誰でも簡単な手続きで利用開始することができます。
STEP1、技術情報や製品の出処が明確な機器を購入する
届け出る技適未取得のOBDは、マニュアルやウェブサイトの公開情報などにより、その出処と技術情報がわかるものでなければなりません。そもそも技術仕様が全くわからないものなどは登録できませんので注意してください。
STEP2、登録のための準備
新規登録の際にパソコンやスマホでマイナンバーカードの認証を行います。パソコンの場合はICカードリーダーなどがあると、様々な手続きがこのようにネットで行われるようにもなるため、1つ持っておくと今後も便利です。
また、パソコンの場合マイナンバーカードを認証するためのアプリケーションを設定しておく必要もあります。これは手順に従ってもできますが、以下のサイトにアクセスして先に「マイナポータルAP」をインストールしておくこともできます。
>>マイナポータルAP Microsoft Edgeインストール方法
STEP3、総務省のサイトにユーザー登録
以下のサイトにアクセスしてユーザー登録を行います。マイナンバーカードと署名用電子証明書暗証番号(英数のもの)が必要になりますので、わからない場合は事前に所属の自治体窓口で確認してください。
STEP4、実験目的などを明記し機器登録を行う
ここで届け出したものは最大で180日間の利用となるため、実験目的などはより細かく細分化して届け出を行うことがポイントとなります。なぜなら、同じ理由での再実験は認められないからです。
例えば「EVのバッテリ性能の実験」と広く書いてしまうとそれを含む全ての実験になってしまいますから、「EVバッテリを急速充電した場合のバッテリ温度の変化の実験」など、その目的を細かく指定しておくことで、次回は違う実験として届け出が可能です。もっと言えば、実験の内容にバッテリの型番や車種、充電器の種類なども入れると良いでしょう。
以下のような例が挙げられています。
サイトにログインしたら「開設届出」をクリックして必要事項を全て記入していき登録を完了させます。完了すると届出一覧に以下のように表示されます。
これで正式に利用できるようになります。
STEP5、廃止届を忘れずに
開設した無線設備については、180日以内に必ず廃止届を提出します。同サイトにログイン後、廃止日を記入して廃止にするだけという簡単な手続きで完了します。
以上で技適未取得機器OBDなども使用可能になります。これだけ簡単な手続きで行なえるようになっているわけですから、届出を怠らないように行いましょう。
これはあくまで実験を目的としたものであることも忘れてはいけません。最終的には技適を受けたものや保証認定を受けたものを使うようにしてください。