金曜日 , 11月 7 2025

EV/自動運転から都市インフラまで:SusHi Tech Tokyoが示した未来のモビリティとサステナブルな都市像

SusHi Tech Tokyoとは?イノベーションを牽引するその規模と目的

SusHi Tech Tokyoは、400年前からサーキュラーエコノミー(循環型経済)を実践してきた「江戸」のDNAを受け継いだ東京で開催され、社会の変革者や挑戦する若者が集結する場です。

2025年の開催は、5月8日と9日がビジネスデイ、5月10日がパブリックデイとして東京ビッグサイトで行われました。毎年開催されるというこのイノベーションミーティングの事務局がJAPAN MOBILITY SHOW2025(JMS2025)にも出展していました。

JMS2025のブースには、東亜道路工業のWattwayやEVジェネシスのソーラーEV三輪車などが展示されていましたが、中でも未来の山車をイメージした出展が非常に興味深いモノでした。

もはやディズニーランドのエレクトリカルパレードが街にやってくるようです。

SusHi Tech Tokyo 2025の開催実績

世界中からスタートアップが集まり、新しいテクノロジーについてのピッチや展示が行われ、未来を担う新しい経営者が誕生しそうな予感がするこのイベントは、2025年度は以下のような実績をのこしています。

参加者数: 57,698人(過去最高。前年比で43.5%増)。うちリアル参加者は43,705人でした。

グローバルな関心: 100の国・地域から参加があり、ビジネスデイのリアル参加者のうち24.1%が海外からの参加者でした。

出展者数: 607社が出展し、そのうち海外スタートアップの比率は55%(334社)に及びます。

パートナー: コーポレートパートナーは47社(前年比で増加)。シティパートナーとして25の国・地域・都市が参加しました。

未来を加速させるEV・モビリティ技術の最前線

SusHi Tech Tokyoでは、都市の未来を展望する「Future」の要素として、モビリティ分野の最先端技術が特に注目を集めました。EVや自動運転技術は、都市インフラの革新や人々のQOL(生活の質)向上に不可欠なテーマとして扱われています。

体験型コンテンツと未来の乗り物

イベントでは、最先端テクノロジーを駆使した体験コンテンツが展開されました。特に「Future Experience」パビリオンでは、約20,000人が訪れる中で、モビリティ関連の展示が人気を博しました。

ツナグルマ: 未来へと“つなぐ”をコンセプトにしたこの日本の祭りの伝統と最先端テクノロジーが融合した山車に、約1,500人が搭乗体験をしました。

UNI-ONE試乗体験: コーポレートパートナーである本田技研工業株式会社(Honda)は、パブリックデイにおいて家族連れを対象にUNI-ONEの試乗体験機会を提供し、幅広い層への認知度向上を図りました。

自動運転とAI技術の融合

AIが「Focus on」領域として大きく取り上げられた中で、モビリティ分野への実装も明確に示されました。

自動運転車の実機展示: AI Special Contentsエリアでは、自動運転車の実機展示が行われ、来場者の関心を集めました。

専門セッション: Impact Stageでは、「自動運転がもたらすモビリティの未来と社会実装に向けた挑戦」と題したセッションが開催され、自動運転技術の社会実装に向けた議論が深められました。

スタートアップの貢献: KDDIパビリオン内では、自動運転技術を開発する**株式会社ティアフォー (TIER IV, Inc.)**が出展しました。

サステナブルな移動とインフラの変革

モビリティは、単なる移動手段に留まらず、サステナブルな都市づくりに直結する課題として扱われました。

レアメタルリサイクルの挑戦: グローバルピッチコンテスト「SusHi Tech Challenge 2025」のセミファイナリストには、マテリアル・モビリティ領域から、レアメタルの水平リサイクルと環境保全を実現する「エマルションフローテクノロジーズ」が選出されました。

都市インフラの効率化: **東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)**は、線路のメンテナンスを効率化する「線路設備モニタリング装置」や、Suicaタッチ情報を活用するサービス「タッチトリガー」といった、鉄道インフラにおけるイノベーションへの取り組みを紹介しました。

協働運搬ロボット: 野村不動産株式会社は、都市・物流インフラの課題解決を軸に、協働運搬ロボット「サウザー」を展示しました。

東京ミライウィークスとの連携

SusHi Tech Tokyo 2025と連動し、ゴールデンウィーク期間中に開催された「Tokyo Mirai Weeks」では、モビリティ体験が重点的に行われました。

未来のモビリティ展示/モビリティパーク: 期間中(4/26~5/6、5/3~5)には、移動を快適にする多彩なパーソナルモビリティの試乗体験が提供されました。

水素エネルギー: 水素ハイブリッド電車「HYBARI」の模型展示や、水素の「つくる」「ためる」「はこぶ」「つかう」を体験する遊具の展示もありました。

グローバルな協創を生み出すプラットフォーム

SusHi Tech Tokyoは、モビリティやEV関連技術を含むディープテックを持つスタートアップにとって、国際的なパートナーシップを築くための重要な拠点です。

スタートアップの登壇: 全607社の出展スタートアップの中には、Blitz Electric MobilityPurismEVといったEV/モビリティ関連企業も含まれていました。

グローバルVCの参加: 海外のVC・投資家が506名(前回398名)参加し、アジア、北米、ヨーロッパなど世界各国で活躍するVCが登壇する「Investor Stage」が展開されました。これは、ディープテックスタートアップへの資金調達機会を大きく広げるものです。

ビジネスを創出する商談: 期間中にマッチングシステムを通じて設定された商談件数は6,136件以上に上り、前年(3,485件)から大幅に増加しました。

次回開催情報:SusHi Tech Tokyo 2026

SusHi Tech Tokyoは、さらなる成長を目指し、次回の開催日程がすでに決定しています。

SusHi Tech Tokyo 2026

開催日程: 2026年4月27日(月)〜4月29日(水・祝)

会場: TOKYO BIG SIGHT。

区分: 4月27日・28日がビジネスデイ、4月29日がパブリックデイとなる予定です。

モビリティが切り拓くサステナブルな未来

SusHi Tech Tokyo 2025は、単なる技術展示会ではなく、サステナブルな都市を実現するためのロードマップを示す場となりました。EVや自動運転に代表されるモビリティ技術は、都市インフラの革新や生活の質の向上という普遍的な課題を解決するための核となることが示唆されています。

次回のSusHi Tech Tokyo 2026では、このグローバルなイノベーションの潮流がさらに加速し、より具体的な実装事例や、モビリティ分野における国際的な連携が期待されます。

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About Electric Manager

大学時代に電子工学を専攻し、電気自動車やソーラーカーの研究を行う。 電気工事士の資格も持ち、自動車メーカーでの電気自動車関連の仕事や電力会社での電気工事、その後は充電スタンドV2Hの営業など弱電から強電まで広いエリアを専門としています。

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