公募要領のまとめ
次世代自動車振興センター (NeV) が交付するクリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金および関連補助金(V2H充放電設備)の応募要領に関する詳細な規定をまとめたものです。
補助金の目的は、災害時のレジリエンス向上に資するV2H充放電設備の設置を促進することにあり、申請資格者(地方公共団体、法人、個人など)や設置場所の区分、申請の前提条件が明確にされています。
また、交付申請から補助金の交付に至るまでのプロセスがステップごとに解説されており、特に不正行為への厳格な対処、取得財産の保有義務期間(5年間)、および補助対象となるV2H機器本体の費用や設置工事費の算定方法と上限額について具体的な要件が示されています。
この点を理解して、ページ末尾にある公募要領のPDFをよく読みましょう。
V2H充放電設備の導入に関する補助率と、補助金申請から交付までの詳しい手順および手続きについて、資料に基づき以下に解説します。
補助率と補助金交付上限額
V2H充放電設備の購入費に対する補助率は、設置場所の区分によって異なります。
設置場所区分 | 補助対象経費の区分 | 補助率 | 1基当たりの補助金交付上限額 |
個人宅、マンション等(共用分電盤) | 設備の購入費 | 1/2 以内 | 500千円 |
設置工事費 | 定額 (1/1以内) | 150千円 | |
公共施設・災害拠点 | 設備の購入費 | 1/2 以内 | 750千円 |
設置工事費 | 定額 (1/1以内) | 950千円 | |
その他施設 | 設備の購入費 | 1/3 以内 | 500千円 |
設置工事費 | 定額 (1/1以内) | 150千円 |
補助金交付額の算定について V2H充放電設備の購入費に対する補助金交付額は、「V2H充放電設備の購入費(税抜)×補助率」と、「V2H充放電設備の型式ごとにセンターが定める補助金交付上限額」のいずれか低い方となります。
申請期間と実績報告期限
補助金申請には「交付申請期間」と、設置後の「実績報告期限日」が定められています。
項目 | 期間・期限 |
交付申請期間 | 令和7年7月25日(金)~令和7年9月30日(火)17時 |
実績報告期限日 | 令和8年1月30日(金) |
注意点
- 交付申請は、上記の最終提出期限までにオンライン申請システムで「申請」ボタンを押すことで有効となります。
- 予算額を超えるおそれがある場合、交付申請期間中でも受付が終了されることがあります。その場合はセンターのホームページで告知されます。
- 実績報告は期限間際に集中することを避けるため、(工事もしくは支払い)完了の日から30日以内を目途に報告することが推奨されています。
V2H充放電設備導入までの詳しい手順と手続き
補助金交付申請から補助金の交付までのプロセスは、主に以下のステップで進行します。申請は一般社団法人次世代自動車振興センター(センター)のオンライン申請システムを利用して行います。
ステップ | 手続き名 | 実施者 | 概要と主な手続き |
1 | 交付申請書類一式提出 | 申請者 | オンライン申請システムにてデータ入力と必要書類をアップロード。事前にV2H充放電設備の購入および設置工事にかかる「予算」を確保しておく必要があります。 |
2 | 交付申請受付・審査 | センター | 提出された書類をもとに審査を行い、交付額を算定します。虚偽の記載は厳禁です。 |
3 | 交付決定通知書発行 | センター | 審査の結果、交付が決定した申請者へ通知されます。受付日から1~2か月程度が目安です。 |
4 | V2H充放電設備の発注および設置工事の施工開始 | 申請者 | 交付決定日以降にV2H充放電設備の発注および設置工事の施工開始を行う必要があります。 |
5 | 計画変更申告 (該当する場合) | 申請者 | 交付決定内容に変更が生じた場合は、速やかにオンライン申請システムで申告します。公共施設・災害拠点への設置では、承認を得るまで工事を中断する必要があります。 |
6 | 設置工事の完了・支払の完了 | 申請者 | 補助対象経費として申告した全ての工事を完了させ、V2H充放電設備が稼働できる状態にします。V2H充放電設備と設置工事にかかる全ての支払いを完了させます(個人宅でローン等を利用した場合は契約締結)。 |
7 | 実績報告書類一式提出 | 申請者 | 実績報告期限日(令和8年1月30日(金))までに、設置工事完了や支払完了を証明する書類をオンライン申請システムで提出します。工事完了・支払い完了から30日以内を目途に報告することが推奨されています。 |
8 | 受付・審査・補助金の額の確定 | センター | 実績報告内容が交付決定内容通りか審査し、補助金の額を確定します。 |
9 | 補助金額確定通知書発行 | センター | 確定した補助金の額を通知します。 |
10 | 補助金の交付 | センター | 申請者名義の金融機関の指定口座に補助金が振り込まれます。 |
11 | 保有義務期間(5年間) | 申請者 | V2H充放電設備の設置完了日から5年間、取得財産等(付帯設備等を含む)を善良な管理者の注意をもって管理し、補助金交付の目的に沿って運用する必要があります。 |
手続きの重要なポイント
交付申請時の要件と注意点
補助金の交付を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。以下抜粋した内容です。
• 購入/工事時期の制限: V2H充放電設備は「新品」であること。V2H充放電設備の発注、設置工事の施工開始、および代金の支払いは、原則として交付決定日以降であること。
• 設置基数: 公共施設・災害拠点の場合は複数基設置が可能ですが、個人宅、マンション等(共用分電盤)、その他施設の場合は1基に限ること。
• 車両の保有(個人宅): 個人宅への設置申請の場合、設置場所を使用の本拠とする電気自動車等(EV、PHEV、FCV)があること。発注が完了している場合は、実績報告で車両の存在を報告することで可とされます。
• 設置場所の権限: 申請者(リースの場合は使用者)は、V2H充放電設備を設置する土地および給電対象施設の使用権限を有していること。所有者でない場合は、5年間設置を許諾したことを証する書類の提出が必要です。
• 提出書類: 申請者本人確認書類(運転免許証や履歴事項全部証明書など)、V2H充放電設備本体の見積書(内訳書含む)、設置工事の見積書(内訳書含む)、および工事着工前の要部写真などが必要です。特に要部写真は、事業開始日以降に実際に撮影した写真データでなければなりません。
設置工事の申告と補助対象
設置工事費の補助対象となる工事内容は、設置場所区分(公共施設・災害拠点か、それ以外か)によって詳細な項目と上限額が定められています。
• 公共施設・災害拠点以外(個人宅、マンション等、その他施設):基礎工事(7千円)、据付工事(20千円)、本体搬入費(10千円)、電気関連工事(70千円)、諸費用(30千円)、離島への運搬費(30千円)が補助対象となり、合計上限額は150千円です。
• 補助対象外の費用例(共通):太陽光発電システムの機器や設置労務費、既設駐車スペースのアスファルト舗装費用、既設設備の撤去費用などは補助対象外です。
計画変更について
交付決定日以降、交付決定内容に変更が生じた場合は、センターへ申告が必要です。
• 軽微な変更(計画変更申告):ブレーカー容量の変更、電源ケーブルサイズの変更、V2H充放電設備の基礎サイズの変更、付帯設備のメーカー/型式の変更など。
• 重要な変更(計画変更承認申請):V2H充放電設備の10m以上の移動、受電元の変更、V2H充放電設備の型式の変更(出力が同程度の場合に限る)、計画の中止・廃止。
• 計画変更不可事項:申請者の変更(特定の例外を除く)、リース契約の有無の変更、設置場所住所の変更、工事施工会社やV2H充放電設備販売会社の変更、基数の変更はできません。これらを変更する場合は申請の取下げが必要です。
実績報告時の要件と注意点
実績報告は令和8年1月30日(金)が期限です。
• 提出書類: V2H充放電設備本体の発注書、請求書、支払いを証する領収書、メーカー発行の保証書、工事費の請求書と領収書、V2H充放電設備等設置工事完了報告書、要部写真、補助金の振込先口座を証する書類などが必要です。
• 保証書: 交付決定日以降の保証開始日が記載された保証書が必要です。
• 要部写真: 施工中の写真が必要な項目もあるため、申請前・工事前に撮影時期を確認しておく必要があります。
補助金受領後の義務
補助金を受けて取得したV2H充放電設備および取得価格が単価50万円以上の付帯設備等(取得財産等)は、設置完了日から5年間の処分制限期間があります。この期間内に処分(譲渡、交換、貸し付け、廃棄、担保に供すること等)を行う場合は、事前にセンターの承認を得なければなりません。承認なく処分した場合は、補助金の全部または一部の返還を求められることがあります。
より詳しい内容は以下のページと公募要領をよく読んでください。