海外勢が実証実験を行う中、NISSANもついにその姿を公開
「自動で車線変更してくれる」「高速道路の渋滞が楽になる」――日産の運転支援技術「プロパイロット」は、私たちのドライブをより快適で安全なものにしてくれました。
そんなプロパイロットが、さらに驚くべき進化を遂げようとしています。それが、次世代「プロパイロット」です。
今回は、日産が公開した動画や公式サイトの情報をもとに、この次世代プロパイロットが一体どのような技術で、私たちのカーライフをどう変えてくれるのか、分かりやすく解説していきます。
国内では、WaymoやTeslaが自動運転の実証実験を行う中、国産メーカーで唯一、電気自動車を広く普及させている日産の技術を見ていきましょう。
まるで熟練ドライバー。AIが道を読み、人を想う運転へ
次世代プロパイロットの最大の特徴は、英国のWayve社が開発した最先端のAI技術「エンボディドAI」を搭載している点です。このAIは、まるで人間のように周囲の状況を「見て」、次に何が起こるかを「予測」し、そしてどう運転すべきかを「判断」します。

公式サイトの情報によると、このAIは11個のカメラ、5個のレーダー、そして1個の次世代LiDAR(ライダー)からの情報を統合し、車両の周囲360°を常に監視。先行車や対向車はもちろん、歩行者や自転車、さらには信号機の色まで正確に認識します。
これにより、これまで苦手とされてきた市街地などの複雑な交通状況においても、まるで熟練ドライバーのような、スムーズで安全な運転支援が可能になるのです。
動画で見る、次世代プロパイロットの驚きの性能
日産が公開した動画では、次世代プロパイロットを搭載した試作車が、交通量の多い市街地を滑らかに走行する様子が映し出されています。
- 合流地点での絶妙なタイミング: 複数の車線が合流するような難しい場面でも、AIが周囲の車の速度や動きを瞬時に計算。最適なタイミングでスムーズに合流していきます。
- 急な割り込みにも冷静に対応: 前方に急な割り込みがあっても、慌てることなく穏やかに減速。安全な車間距離を保ちます。
- 駐車車両や障害物を華麗に回避: 路上駐車の車両や、道路上の障害物を検知すると、安全な間隔を保ちながら自動で回避。その後、スムーズに元の車線に戻ります。
これらの動きは、もはや単なる機械的な制御ではありません。AIが交通状況全体の「流れ」を読み、周囲のドライバーや歩行者の動きを予測しているからこそ実現できる、まさに「人間らしい」運転と言えるでしょう。
2027年度に市販車へ搭載予定!
この革新的な次世代プロパイロットは、2025年9月には東京・銀座でデモンストレーション走行を公開しており、その実用化は着実に近づいています。日産は、2027年度に国内の市販車への搭載を予定しているとのこと。
ただし、この技術はあくまで運転を支援するためのもので、完全な自動運転(SAEレベル2)に分類されます。運転の責任はドライバーにあり、常に周囲の状況に注意し、いつでも手動で運転できる準備をしておく必要があります。
まとめ:単なる「楽」から、「信頼できるパートナー」へ
次世代プロパイロットは、これまでの運転支援技術のように「運転を楽にする」というレベルを大きく超え、まるで「信頼できるパートナー」のように、あらゆる場面でドライバーを的確にサポートしてくれる存在へと進化を遂げようとしています。
AIがもたらす、より安全でストレスフリーな未来のドライブ。その到来は、もうすぐそこまで来ています。
関連サイト
- 日産グローバルサイト | 次世代プロパイロット