日産アリアに大人4人乗車で紅葉の谷川岳へ!
日産アリアに大人4人乗車で紅葉シーズンに谷川岳に向かってみます。今回は日産アリアB6(2WD)です。もはや幻の車になってしまったのではないかと言うほど納車や生産が遅れてしまっています。
日産アリアスペックのおさらい
日産アリアはB6(2WD)は前輪駆動のSUVで、搭載電池容量は66kWhです。満充電時の最大航続距離がWLTCモードで470km、車両重量は1920kgです。大人4人が乗車すれば総重量は2t越えとなります。
谷川岳のある「みなかみ町」は電気の故郷
谷川岳は、群馬県と新潟県をまたぐ標高1977mの都心からアクセスがよく登山で人気の山です。観光とスキー客用に麓からロープウェイが伸びていて、谷川岳天神平までロープウェイで行き、そこから歩いて谷川岳を目指すこともできます。
谷川岳のある「みなかみ町」はスキー場のメッカとしても知られているほどスキー場も多数あり、関越トンネル手前でスキー・スノーボードが楽しめることから冬はスキー・スノボ客で賑わいます。
首都圏に水を運ぶ利根川の水源
みなかみ町の中央には首都圏の重要な水源となっている「利根川」が流れていて、町の最北端の山に利根川の水源があります。そのため、治水と水の安定供給、そして発電の役割を果たす「ダム」も沢山建設されているエリアでもあります。
奥利根湖にあるアーチ式コンクリートダムの「矢木沢ダム」、ならまた湖にあるロックフィル式の「奈良俣ダム」、これら2つの湖からの水が集まる藤原湖にある重力式の「藤原ダム」などが有名で、それぞれ発電も行っています。
電気自動車(EV)に乗る者としては、再生可能エネルギーで作られる電力には本当に感謝です。ダムは電力を「水位」という位置エネルギーに置き換えて保管している場所です。クリーンな資源により作られる再エネとして、このダムの有効活用は今後の日本にとって重要な課題です。水を大量に放流しなければならない時に発電される電力をどのように保管しておくか、どのように有効利用していくか、ダムの有効活用はひっ迫する日本の電力事情を助けます。なぜならダムは既に日本中に沢山あって、発電余力を残しているからです。
谷川岳に向けて圏央道から出発!
今回は前置きが長くなりました。やはり再エネの活用は非常に重要です。EVでみなかみ町を訪れるというのはとても意味があります。それでは、いつもの通り圏央道「狭山日高IC」から出発します。谷川岳ロープウェイ乗り場までおおよそ140kmの道のりです。往復でも280km程度ということになりますが、日産アリアの航続距離なら、まず無充電で帰ってこれます。
朝7時に出発し、圏央道から関越自動車道に入り、水上ICで降ります。スタート時のメーターは電池残量99%、航続距離380kmという表示になっています。すでにここまで3.5kmほど走ってきましたので、トリップメーターからこの距離は引いてスタートします。
高速道路に乗ったら日産プロパイロット!
高速道路は楽々プロパイロット!そして日産アリアにはプロパイロット2.0が搭載されているので楽しみにしていたのです!ところがプロパイロットをONにしてみても、手を離すとアリアに怒られます!なぜ???
この日産アリアB6は日産レンタカーで借りたもの。そもそもプロパイロット2.0は搭載されていなかったようです。プロパイロット2.0がかかるとステアリングの表示が青色になり、手放しでの自動運転が可能です。しかしそのためにはそもそもプロパイロット2.0が搭載されている車両であることと、Nissan ConnectのオプションサービスPropilot プラスに入らないといけません。これにより、3D高精度地図データも利用できるようになりますが、通常年間7,920円の日産アリア向けNissan Connectサービスが、25,520円になります。さあ、このサブスクのようなサービスに加入してまでプロパイロットを利用する価値はあるのでしょうか。
11月の紅葉シーズンにドライブ!
今回の小旅行は2022年11月6日(土曜日)の朝からの日帰りです。紅葉シーズンということで道路が混むかと思いきや、藤岡JCTまでは車が多かったものの流れていたため渋滞なく進みました。
関越道「水上IC」までは122km走行して、電池残量は60%、残り航続距離は204kmですので、やはり関越自動車道の下り線は登りが多くなっているので電費性能は悪くなっています。
下道を走り続けると、みなかみの温泉街を抜け、湯檜曽温泉郷を抜けたところに「メロディライン」と呼ばれる走行時のロードノイズが有名な日本の曲を奏でるエリアがあります。EVなら静かな走行音だけに更に良く聞こえるだろうと思っていたら、ロードノイズへの対応がなされているため、窓を開けた方が音が良く聞こえます。
メロディラインの先の広場で小休憩。ここまでノンストップで来ました。時刻は8時45分頃です。湯檜曽温泉周辺は紅葉がちょうどよく色づいています。アリアを駐車した場所は、谷川岳から流れてくる湯檜曽川のほとりの湯檜曽公園の一角で、夏になるとバーベキューで賑わう場所です。
日本一のモグラ駅
湯檜曽公園から2.5kmほど進んだところに谷川岳に最も近い上越線の駅「土合駅」があります。一見なんの変哲もない田舎の駅のように見えますがここは観光スポットにもなっている場所です。
この駅は上越線の上り線は普通の路線のように地上にありますが、越後湯沢方面に向かう下り線は地中深くにあるため、462段ある階段を10分ほどかけて歩いて70m地下に下っていかなければなりません。そのため「日本一のモグラ駅」と呼ばれていて、テレビなどでも多く紹介されています。
最近旅番組などでよく見かける影響でしょうか、いよいよ駅舎の改修工事が行われていて、駅舎の中に観光スポットならではの施設も作られるようです。以前登山で谷川岳に来た際に、この駅で降りたことがあるのですが、下り線で来てこの駅に降りると、谷川岳に行く前にまず462段の階段の洗礼をうけます。
電池残54%で谷川岳到着
谷川岳の麓にあるロープウェイ乗り場の屋内駐車場に到着しました。ここまでで電池残量は54%、残りの航続距離は、178kmです。トリップメーターは139.8kmですが、狭山日高ICからは136.3kmとなります。やはり登りが多く大人四人が乗車していたこともあり、電費は悪くなっていますが、それでも4.6km/kWhですから、思ったより全然良い数字です。
谷川岳ロープウェイとリフトで天神峠へ
谷川岳ロープウェイの往復チケットを購入して谷川岳天神平に向かいます。この辺りに来るともう紅葉の見ごろは過ぎてしまっているようです。水上IC周辺の紅葉はこれからで、湯檜曽公園は見ごろ、そして谷川岳は見ごろが過ぎているという、たった12㎞程度の移動の中でもこれだけ差があります。
天神平スキー場からはスキー用のリフトで天神峠に上っていきます。20年くらい前では11月の上旬にはスキー場がオープンしていたのですが、現在ではまったく雪が無い状態。日も出ているためポカポカ暖かく薄着でも問題ないような暖かさです。どれだけ地球環境が変わり、気候変動が起きているのかを思わせます。
リフトを降りれば天神峠に到着です。ここから眺める谷川岳はとても美しい!ちなみに谷川岳の山頂部分は2峰に分かれているのが特徴で、写真の左側が「トマの耳」(1963m)で右側の頂上が本当の山頂「オキの耳」(1977m)です。
この天神峠山頂のリフト終点ビルの上には期間限定で「TENJIN CAFE」がオープンしていて、周囲の風景を楽しみながら温かいコーヒーやココアなどが楽しめます。11月の中頃にはクローズして冬支度が始まるようですので、ギリギリ利用できました。
道の駅「水紀行」の無料充電設備
混みだす前に下山して、道の駅で買い物をしようと思います。みなかみの市街地には「水紀行(みずきこう)」という大きな道の駅があります。週末にはキッチンカーや農産物の特売など各種イベントが行われています。谷川岳ロープウェイ駐車場から水紀行までは11km程度の道のりです。
買物にちょうど良い30分の急速充電
到着したのは11時頃ですが、既に駐車場は満車で空きを待つ車も沢山あります。駐車位置に困っているとEVの急速充電スポットが空いています!日産アリアでは充電の必要はなかったのですが、駐車場が空いていない事もあり、30分充電することに。ここの急速充電器は20kWと出力は低いですが、なんと利用料金が「無料」です。
みなかみ町にお願いしたい充電無料の廃止!
こういった施設に急速充電器があるのはとてもありがたいことです。ダムが多い町という事は「発電」の町でもあることですから、是非とも充電設備は充実させてほしいと思います。しかしながらユーザーにとってはありがたいと思える「無料」での利用はやめてほしいと思います。まずマナーが悪くなる事と、充電設備なども更新などしていかないといけないため、設備のメンテや拡張への費用に充てていってほしいと思います。
利根川の水量に合わせて、大量に発電できる時期には低価格になるなどのサービスがあると非常にありがたいですが、無料にする必要は全くありません。今後EVが普及してきた際、無料を求めるような人が集まれば、トラブルは必至です。
みなかみの食事と言えば「諏訪峡」
買物後はランチ。みなかみの食事と言えばやっぱり「諏訪峡」です。利根川にそって走る国道291号沿いにあり、みなかみ町でバンジージャンプが行われている「諏訪峡大橋」の近くにあります。水紀行南側の利根川が深く谷で囲まれる当たりが諏訪峡と呼ばれていて、ここから名前が付けられたレストランです。
このレストランは、上州牛のステーキやハンバーグ、群馬県産の豚を使用したヒレカツなどにみなかみ町でとれた野菜など地場の食材をふんだんに使った料理が楽しめます。舞茸のてんぷらや手打ちそばやうどんなど、メニューも多彩でどれもおいしく頂けます。
人気の「ダムカレー」は3種類!
ダムカレーは3種類用意されていて、普通盛り(アーチ式矢木沢ダム)、中盛り(重力式藤原ダム)、大盛り(ロックフィル式奈良俣ダム)となっています。本格派のスパイシーなオリジナルカレーが食欲をそそります。今回は大人4人での旅ですので、3種類すべてコンプリートしました。
みなかみで見かけるあやしい名水を汲みに!
食後はみなかみ周辺でよく見かける「釈迦の霊泉」と呼ばれる名水を汲みに行く事に。抜群の怪しさですが、以前筆者の父が癌で闘病している際に水を調べている時に出会ったものです。とある宗教団体が水源を抑えているため、1日4Lまでは無料でいただけます。
効能は抜群で、とにかくH2O(水分子)のクラスターが非常に小さく、体の隅々まで浸透しやすいためデトックス効果が高いと思われます。その証拠にこの水を飲むと利尿処理が非常に良くなります。険しい山道を入っていき、途中すれ違いもままならない山道を進んでいくと「奈女沢温泉」という名前で宿泊施設が現れてそこで水をくむことができ、持ち帰り用に10Lの販売もしています。
気になる宗教団体ですが、特に勧誘されることもなく、気さくな仲居さんと言った方たちが出迎えてくれます。看板には薬事法違反的な事が沢山書かれていますが、水自体はとても良いものです。この効能の高い源泉のお風呂もあり、宿泊施設には全国から宿泊に訪れる人がいるようです。他県ナンバーも見かけます。
実はこの辺り一帯の水質にも近いものがあり、利根川周辺には上牧温泉というエリアがあります。日本の画家「山下清」にゆかりのある「辰巳館」も上牧温泉にあり、泉質の良さから湯治に訪れる人も多くいます。上牧温泉には温泉病院もあり、かつては治療の一環として湯治も行われていたようです。奈女沢温泉はその源泉で、ふもとの上牧温泉よりも成分が強めになっているようです。
みなかみはりんごの季節、お土産に!
みなかみにはりんご畑が沢山あり11月はりんごのシーズンです。アップルパイで有名な「阿部リンゴ園」さんにお邪魔してリンゴとアップルパイを購入して帰途に就くことにします。
関越道の上り線は下り坂
ややこしい表現ですが、東京方面へは山側から下っていき、平地になる埼玉県に入るまでは非常に電費が良くなります。水上ICに入る直前では電池残量63%、航続距離残219kmとなっています。時刻は13:45分。通常であれば1時間30分程度で到着します。早めに帰途に就いたため今のところは渋滞が無い様子です。
赤城高原で休憩をとって本線に戻ると早くも渋滞が始まっているようでした。どうやら嵐山-東松山間で事故渋滞のようです。これは時間がかかりそう。花園IC先から渋滞が始まっています。水上を出て2時間10分ほど経過し、走行距離は98kmほど行ったところで、東松山ICまであと3kmほどで事故の見物渋滞が終了し、流れ始めました。
しかし、最近関越道ではカーシェアのステッカーが貼られたコンパクトカーをよく見かけます。車も所有しない時代でしょうか、それとも所有していなかった人たちがカーシェアのおかげで車に乗るようになったのでしょうか。いずれにせよ日本では益々自動車が売れない時代がやってきそうです。
狭山日高IC到着!結果は・・・
電池残量34%、航続距離残り140kmで到着しました。総走行距離は285.2kmほどになりました。途中みなかみの道の駅「水紀行」で無料充電し、14%ほど追加してありますが、それが無くても100kmほどの航続距離を残して往復可能という事になります。大人4人が乗車しての旅ですが、登りでの消費が多くなるも、下りでの電気の回収量も多くなっている気がします。もちろん差し引いてもやはり大人4人分の重量が加われば全体的に電費は悪くなっています。
それでも、大人4人乗せてもびっくりするほど電費に差が出ることなく、あまり意識せずに旅に出て問題ありません。ガソリン車と同様に「なくなってきたら入れる」という考え方には変わり有りませんが、大きく変わるのがエネルギーを補給するためだけの行動はしないという事です。充電スポットが置いてある場所には道の駅や博物館、コンビニなど他の用事を済ませることができます。つまり旅をした時に「ついで」でエネルギー補給ができるのです。
充電スポットが無くて困るような場所は、本当に人里離れた場所くらいで、実はあちこちにありますが、ガソリン車を乗っていると全く気付かないところにあります。軽井沢に行く動画でも説明した通り、充電スポットの位置や空き情報、利用者がいる場合は何分経過しているかなども分かるため、全く気にせずに旅に出れます。
谷川岳、楽しい旅でした!
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