2025年から日本国内でも発売される「アフィーラ」はNACS規格採用を決定!
日本を代表するメーカー、ソニーとホンダの2社が協業で開発を進めている次世代電気自動車(EV)「アフィーラ「AFEELA」は、国内で開発されているEVの中で、現在最も期待度が高いEVといえます。すでに2025年から北米と日本で発売する事が発表されていて、待望のEVである事は間違いありません。
ソニー・ホンダモビリティ株式会社が手掛けるアフィーラは、詳細スペックは未だ未知ではあるものの、高い期待値の中、少しずつその性能が公開され始めました。
遠出の際に必要な急速充電規格
EVスペックの大きな注目の1つに、外出時に利用する充電インフラに何を採用するかというのがあります。
EVを運用する際に、日常的には自宅に設置する200Vの普通充電で充電するため、従来のガソリン車のようにわざわざエネルギー補給のために出かけるという事は通常行いません。しかし、旅行など遠出をしたときには、公共の充電インフラを利用する必要があります。今までは国産の自動車ならまず間違いなく日本のCHAdeMO規格を用い、有名外国自動車メーカーもこぞってこの規格を利用してきました。
一方、EVベンチャーであるテスラは、インフラを1からすべて自前で用意するスタンスで、スーパーチャージャーと呼ばれる充電網を日本で展開しています。このテスラの急速充電規格はNACS(North American Charging Standard:北米充電規格)と呼ばれ2023年にテスラ以外のメーカーにも利用を開放して以来、北米のEV充電のスタンダード規格として統一されました。
アフィーラはテスラ社の「NACS」充電インフラを採用
アフィーラは2024年9月27日、公式サイトで充電インフラはNACSを採用すると発表し、米テスラ社と合意したことを発表しました。日本国内でテスラのスーパーチャージャーを利用できるEVはこれまでにないため、アフィーラは国産車初、日本国内で販売されている外国車メーカーのEVを含めても初となります。
なぜNACSなのか?
なぜテスラが採用するNACSを採用することになったのか。それは次世代の電気自動車の性能に対応した充電インフラである事と、ようやく日本国内にもスーパーチャージャーのインフラが整ってきた事にあります。
最も重要視される性能と使いやすさ
中でも最も重要視されているのが、充電性能とその使いやすさでしょう。スーパーチャージャーはプラグを差し込むだけで何の操作もなしに、いきなり充電が始まります。車両に登録されているアカウントに紐づいたクレジットカードにより支払いが行われるため、いちいち充電スタンドにカードをかざしたり、支払いのためにQRコードを読み込んでカード情報を送るような事もありません。また分刻みでの充電が可能で、いつでも充電を中断する事も可能です。
そして、国内最高峰の250kWの充電出力により実際に運用されているというのもポイントです。国内で最も普及しているCHAdeMO規格の充電ネットワークは最大で150kW、実際普及しているものは50kW~90kWのものが殆どを占めているため、その充電性性能の違いに大きな開きがあります。
アフィーラの詳細スペックはまだ未定ではあるものの、従来のEVを上回る大容量バッテリの搭載が期待されているため、快適なユーザーエクスペリエンスを提供するためには、日本国内では、高出力でシームレスに使えるNACS一択となるのでしょう。
日本国内で10年の運用実績
テスラの充電網は、日本で最初のスーパーチャージャーが東京の六本木に設置されてから2024年9月8日で10周年を迎えました。ここまで日本国内120箇所、598基のスーパーチャージャーが設置され、今後も拡張予定になっています。最近ではCHAdeMOコネクタとNACSコネクタの両対応の充電設備も登場しているため、それらを合わせるとおよそ886箇所になります(GogoEV 2024/9/28現在)
当事務局でも、国産EVとテスラを運用していますが、出先で急速充電器を利用した場合の運用のしやすさはの違いは歴然です。
遠出の際の充電は、買い物や食事、トイレ休憩など何かのついでに充電するのが普通ですから時間を有効に使えます。しかしテスラ車の場合は車内でのエンターテイメントも充実しているため、そのまま車内で待っていたとしてもくつろぎの時間になります。
充電時間すら楽しめるアフィーラ
アフィーラもソニーのエンターテイメント性が充実する事を考えると、スーパーチャージャー充電網を利用する事によって充電時間にそのエンターテイメント性能が充実した時間を提供してくれるようになるでしょう。
2024年9月20日、ソニー・ホンダモビリティ株式会社は、世界的にアニメ配信サービスを展開する「Crunchyroll(クランチロール)」とのパートナーシップ締結を発表しました。これにより、アフィーラの車内では、世界中のアニメーションが楽しめるようになります。従来のように効率的に充電時間を利用するだけでなく、あえて充電時間をエンターテイメントを楽しむ時間にするという新しいEV運用も見えてきます。
2024年9月現在では、クランチロールのサービスは日本では展開されていませんが、今回の協業の発表により日本上陸も間近という事になります。
まだまだ謎の多いアフィーラですが、国内最高峰の充電ネットワークの採用や、世界的アニメーション配信サービスとの提携など、徐々にその充実した性能やコンテンツが明らかになってきました。詳細スペックがどうなっていくのか、期待度は高まるばかりです。