木曜日 , 11月 21 2024

2023年度日本国内のEV販売状況

電気自動車の販売台数は昨年比ほぼ横ばい

2023年度(2023年4月~2024年3月)の電気自動車(EV)の販売台数はほぼ横ばいで、約79,000台となりました。最も売れたEVは日産が発売している軽自動車「サクラ」で34,081台で、続いて日産リーフ7,106台、3位が日産アリア6,262台と1位~3位全て日産の車両であることがわかりました。4位は三菱の軽自動車eKクロスEVの4,419台となっています。

79,000台のうち、輸入車は23,707台で、国産車はほぼ日産が占め、輸入車の中では推定ではあるものの5,470台のテスラが人気車種となっているようです。

NISSAN SAKURA エレクトリックライフ ELECTRICLIFE.JP
NISSAN SAKURA

※一般社団法人日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会、日本自動車輸入組合のデータをもとに作成

軽自動車の販売台数が鈍化も乗用車は伸びている

2017年からのデータを見てみると、日本で販売されていたEVはほぼ日産リーフのみで、年間2万台強の販売台数でしたが、2020年のコロナ過以降は手厚い補助金なども功を奏し、徐々に販売台数が伸び、軽自動車「サクラ」と「eKクロスEV」のリリースからは、軽EVがけん引する形で大幅に販売台数を伸ばしました。

EV販売台数 ELELCTRICLIFE エレクトリックライフ

2023年度の実績としては、軽自動車の販売台数がやや減少したため、全体ではおよそ1,000台ほど少なくなったものの、乗用車の販売は伸びています。特に納車が本格的に行われるようになった日産アリアがその販売台数を伸ばしています。

2024年は商用バンの軽EVや輸入車の層が厚くなる一方で、日本の乗用車は実質日産1社だけで、アリア以降の新しい車種EVは今のところ発表されていません。トヨタは、2023年11月から一般にもbZ4Xの販売を開始しましたが、月に百数十台の販売台数にとどまっています。ただ、トヨタは2023年度は2,545台のEV販売実績があり、LEXUSのUX300eやRZ450eがその販売台数をけん引しているようです。

LEXUS RZ450e

2024年は停滞時期か?

クリーンエネルギーヴィークル(CEV)に対する補助金の予算額は年々増加していて、今年は昨年と比較して倍の予算が用意されています。企業の取組を加味した新しい評価での補助金となっていますが、1台あたりの補助金としては最大で85万円が用意されています。

しかし国産車としては商用軽EVのリリースは発表されるも、乗用車クラスの発表が無く、これから発表されたとしても納車は2025年の公算が高くなっています。この間に海外勢が新しい車両を日本市場に投入したとしても、今年の補助金要件では、補助金額が少なくされているため、あまり購入意欲にはつながらないでしょう。

Volvo EX30
Volvo EX30

フォルクスワーゲングループは日本国内で独自の充電網を強化すると発表してから久しく時がたちますが、日本でのEVの売れ行きを見るからに広がっていきそうにはありません。しかし今回の補助金ではこの充電インフラ周りの強化などは加点項目にもなるため、これらが評価されるようになると、テスラのように海外勢にも十分な補助金が与えられる事になります。

CEV補助金リーフ・TESLAモデル3LRらが増額

日本でのEV普及には、コンパクトカーの廉価版が補助金を使うとハイブリット車よりも安く購入できるような価格的なメリットがない限り普及は難しい状況です。令和5年度当初予算でのCEV補助金は2024年の2月上旬まで利用可能だったことから、新車種がなく海外勢の補助率が下がったところを見ると補助金には十分余裕がありそうです。

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