電気自動車もバッテリはあがります!
さて、今回は実話に基づき、バッテリが上がってしまった事件を再現してみました。日中にヘッドライトをつけっぱなしにしてしまうと数時間後にはバッテリがあがってしまいます。通常はAUTOにしておけばよいのですが、下の写真ようにライトつけっぱなし状態ですと、日産リーフの場合ヘッドランプについては12Vアクセサリ用のバッテリから電力を供給しているため、バッテリが上がります。通常は警告音とかなりますが、無視して降りてしまえば聞こえなくなりますし、日中LEDライトは光っているのが見えにくいですね。
走行用バッテリとアクセサリ用は別物
日産リーフの場合、走行用バッテリは350Vと電圧が非常に高いため、従来の電装系は12Vのアクセサリ用バッテリが用意されていて、こちらから電力を供給しています。つまり基本的には従来の自動車と同じ構造で、ルームランプや車の起動などは12Vバッテリから行い、エンジンの代わりにモーターを搭載し、ガソリンの代わりに駆動用350Vバッテリの大容量(40kWhまたは62kWh)なものを利用しています。
日産リーフのバッテリが上がると何もできなくなる!
電気自動車に限ったことではありませんが、バッテリがあがると車を始動することができなくなってしまいます。マニュアル車などでは「押しがけ」ができるので、エンジンを始動できる可能性はありますが、日産リーフはいろいろとできなくなります。鍵やボンネットは開けることができますが、充電ポートリッドは開けることができなくなります。これは緊急の開け方がありますが、開けたところでそもそも車内インフォテイメントシステムが起動していないため、CHAdeMOの急速充電も、普通充電ポートからも充電を始めることができません。
なんか、電気自動車のバッテリが上がるっていうのは、ちょっと恥ずかしいですよね?
これだけ大容量なバッテリを搭載していて、十分な残量があるのに、スターターに使うちょっとした電力すら供給できなくなってしまうなんて!!
バッテリをテスタで測ったところ、何も反応しませんので完全に電池容量ゼロになっています。
という事で、ハンディバッテリに繋いであっという間に電力回復。こういうのって普通は持っていないので、任意保険のロードサービスを利用すれば、すぐに現場にかけつけてくれますからご安心を。
自動車専用のハンディ・バッテリは、便利なエアコンプレッサ搭載のものなんかも2万円弱で販売していますから、1つ持っていると便利ですね。電気自動車の場合ガソリンスタンドなどにいく事がないので、空気圧の調整にも使えて一石二鳥。おすすめです。
EV専用車両だとちょっと違う!
テスラなどのように1から電気自動車用に設計された車はアプローチがちょっと違っていて、同様に12Vアクセサリ用バッテリを搭載していても、ドアを開ければ自動的に車が始動するなど、従来の自動車とその操作方法も違っています。たとえば今回のようにヘッドライトをつけっぱなしにしても、車から降りれば自動的にライトはOFFになり、車自体OFFになるため「バッテリーがあがる」という事故を未然に防いでいます。この辺りは今後日産リーフにも是非搭載してほしい機能です。
いずれにせよ、電気自動車のアクセサリ用バッテリがあがったから起動できないというのは、聞いただけでも恥ずかしいので、こういう事がおこらないような車の設計にしてほしいものです!