2月の燃料調整費が微増も、いよいよ始まる政府からの補助金
昨年から電気料金が毎月のように値上げされています。電力使用量に対する単価は変わらないものの、毎月需給状況により変動する「燃料調整費」が値上がりを続けていて、電気代は記録的な値上げを続けています。1月23日には、東京電力が値上げの申請を行っている事が報道され、今年2023年の6月からは、電力使用量に対する単価自体も値上げとなります。
このような状況であるため、政府は2022年12月、「電気・ガス価格激変緩和対策」を実施することを決定し、高騰する燃料調整費対策として電気料金は最大で1kWhあたり7円、都市ガスは1㎥あたりで30円が単価から値引きされます。
2023年2月の燃料調整費は微増
東京電力管内での低圧料金2月分の燃料調整費は13円04銭となっていて、1月分と比較して5銭の値上げとなりました。
今回の緩和対策が適用されるのは、2023年1月使用分(2月検針分)という事になります。例えば電力使用量が1,000kWhなら、燃料調整費だけで、13,040円という事になります。しかし、最大7円の割引が適用されると、6,040円となります。このほか1kWhあたりの電力使用料金が30円の契約であれば、30,000円であるため、合計で36,040円の電気料金を支払う事になります。
全てはエネルギーを輸入に頼っていることから始まっている
日本の発電所は火力発電が全体の68.8%とその殆どを占めていて、火力発電を行うための原料として使う石炭、石油、LNG(液化天然ガス)については、ほとんど輸入に頼っています。
国際情勢が不安定となり、それに伴い原料の輸入にかかるコストが増大し、昨年3月以降、燃料調整費は毎月のように値上がりしています。
日本政府はすでにガソリンに対しても補助金を投入していて、その価格の安定化を図っていますが、電気・ガスについても、電気代全体を見れば30%以上値あがっており、今後も値上げが必要な状態となっているため、このような価格激変緩和対策事業がスタートしたわけです。
今のところ、この制度は2023年8月使用分(9月検針分)までとし、その翌月の9月使用分(10月使用分)に関しては補助額を半分にし、段階的に補助金を終了に向かわせていくようです。
途中6月には電力会社による電力料金自体に対する値上げが行われることから、国民からは不安と不満の声が上がっています。
3月の燃料調整費は?
すでに3月分の燃料調整費も発表されており、3月については、2月と比較して1円35銭安い、11円69銭(関東エリアの低圧契約)の予定です。2月をピークとして燃料調整費は春に向けて下がっていく事になりますが、今後の値上げに向けて対策を打つ必要がありそうです。