アウディが歴史的な結果を達成
アウディは2022年1月に開催されたダカールラリーに新しくできた代替燃料や電動車などが参加する「T1.U:グループT1アルティメット」に100%電気自動車である、Audi RS Q e-tronで参戦しました。
アウディが参加したこのレースは、元々は「パリダカ」と呼ばれ、パリ~ダカール間を走る世界で最も過酷なラリーレースと呼ばれていた大会ですが、2020年からはサウジアラビアでの開催になり、2022年のレースは1月1日、ゴール地点である大都市「ジェッダ」から本番ステージ1Bのスタート地点となるハイルへと移動する途中に用意され、翌日から行われる本番前の予選のような位置づけで行われるA1ステージから始まり、ここから1月14日までレースが行われました。
この予選のようなA1レーストップはTOYOTA GAZOO Racingとなったが、アウディチームのカルロス・サインツはTOYOTAから12秒差の2位につけました。アウディチームは100%電気自動車であるRS Q e-tronをたったの1年ほどで仕上げてきたため、予選からセンセーショナルな登場を見せました。しかしながら2日目には、リアを損傷するアクシデントにより大きく順位を下げることになります。
しかしレース3日目にアウディチームが歴史的快挙を達成します。レジェンドドライバーでもあるカルロス・サインツにより、Audi RS Q e-tronはついにステージ優勝を果たし、T1アルティメットカテゴリーでの初勝利だけでなく、EVによる初のステージ優勝という快挙を成し遂げ、ダカールラリーの歴史にその名を刻むことになりました。この日他の2台も3位、5位と5位以内に3台が入るという強さを見せつけています。
アウディはこのレースに3台のRS Q e-tronを持ち込み、3台合計で24,000kmを走行し、過去最高となる総合9位を獲得しました。14日までの12ステージで、アウディチームは表彰台に14回のぼり、4つのステージ優勝を獲得するという結果を残し、EVの未来を予見させる結果を過酷なレースであるダカールラリーで達成しました。
過酷な環境下でのEVポテンシャルを証明
電気自動車がダカールラリーで初めて完走したのは2017年1月に開催された第39回大会の事で、スペインの自動車メーカーACCIONAの100% Ecopoweredがおよそ9,000kmを走りました。
そして、今年総合優勝は逃したものの、短期間でRS Q e-tronという車を完成させ総合9位、4つのステージで優勝するという快挙によりEVの可能性を証明したことになります。アウディチームは次回は総合優勝を目指すとし、ダカールラリーでのリベンジを誓っています。
今後ライバルたちのEVでの参戦なども予想されるため、すでに砂漠でEVを走らせた多くのデータを持つアウディチームがどのようなe-tronをリリースしてくるのかが楽しみです。