中国BYDから1月に発売されるSUV「ATTO」
中国の自動車メーカー「BYD」は、すでに日本では100%電気のバスや商用車の納車を始めていることでも知られています。
このBYDの日本法人、BYDジャパンは2022年7月21日、日本では乗用車3車種の電気自動車(EV)を2023年から順次発売していくとしていたものの、価格は未定のままでした。中国は電気自動車の普及が急激に進んでいて、日本とは比較にならないほどの電気自動車大国となっています。その中国でも認められた車両が日本に入ってくるという事で、価格が気になるところでした。
2023年最初に発売される「ATTO3」の価格発表!
BYDジャパンが発売する3車種の先陣を切るのがATTO3というコンパクトSUVのEVです。こちらは1月31日の発売を予定していて、納車が3月から始まるとの事です。
7月の会見でBYDの劉社長は、中国から来た車だからと言って安売りするのではなく、完成度の高いEVとしてしっかりとした価格で販売していくとしていました。その通りで440万円~としていて、実際の乗りだしでは500万円を超えてくる想定になるのではないかと予想されます。
BYD ATTO3のスペックについて
ATTO3はSUVタイプで、車両の大きさは全長4,455mm /全幅1,875mm /全高1,615mmとなっていて、ホイールベースは2,720mmです。車両重量は1750kgで、日産リーフが全長4,480mm /全幅1,790mm /全高1,560mmで、重量はe+(60kWh)モデルと比較すると1670kg(40kWhモデルは1520kg)あることから、かなり近いサイズ感という事になります。
電池容量は58.56kWhで、満充電での走行距離はWLTCモードで485kmとなっていて、60kWhモデルのリーフが450km(WLTC)となっているので、カタログ上では電費性能が高くなっています。
外部給電機能搭載!V2L、V2Hに対応!
補助金を意識してEVの購入を考えている人にとってはとても朗報となる外部給電器を搭載した車両であることもATTO3が日本で購入できるEVとしておすすめ車両の1つになってくるであろうという理由の1つです。
この外部給電機能があれば、ATTO3に対しては経産省のCEV補助金85万円が利用でき、埼玉県など自治体により外部給電機能搭載車に対して追加補助金を用意している場合もあります。
外部給電とは、車両から他のモノに給電できる機能の事を指していて、電気を自宅に戻したり、外部の蓄電池に電力を供給したりする機能の事で、地震や台風、洪水、雪害などの災害が多い日本では重要視されている機能の1つです。
BYD ATTO3の充電プラグは運転席側のミラー下あたりに接続するようになっていて、ここから充放電を行えます。
未来感あふれる日本仕様のEVが一定の人気を集める
現在EVのコンパクトSUVサイズの市場は激戦区となっている中、他社と比較すると価格が抑えられていて、かつ独特な未来感あふれるインテリアと回転するタッチパネル式のインフォテイメントシステムなど、日本車にはない新しい体験を提供するEVとして一定の人気を集めることでしょう。
中国でTOYOTAと共同プロジェクトを推進中
BYDといえば中国でトヨタとも協業している実績もあり、7月の劉社長が記者からの質問でトヨタとの関係をこたえる一幕では「今後双方からオフィシャルに発表することがあると思う」という意味深な言葉も聞かれていることから、トヨタがまともなEVを一台も発売していない現状、このタイミングで3車種も日本市場にリリースするというのも、なにかトヨタとの調整が行われているのではないかと考察されます。
すでに商業用バスなどではその地位を固めていて、日本にも多くいる中国人や中華系企業の足として、普及が広まることで、更に日本人にも広く普及していくような予感があります。それは、ATTO3の販売を皮切りに、日本市場ではディーラーによるサポートまでも視野に入れて展開していくという戦略もあるからです。
これに従うように、オートバックスセブンの100%子会社であるオートバックス・ディーラーグループとBYD AUTO ジャパンがディーラー契約を結んでいて、日本初のBYD AUTOディーラーを2023年上半期までに栃木県宇都宮市に出店するとしています。
いよいよ発売が間近に迫った中国の高性能なコストパフォーマンスの高い「ATTO3」が日本の自動車産業にどのようなインパクトを与えるのか、非常に気になるところです。