日本の街を軽快に走る小型EVトラック登場!
日本のEVベンチャー企業が手掛ける小型EVトラック「ELEMO」の納車が間もなく開始されます。
日本の町中を走るエコな働く車というコンセプトで、100%電気で走る「完全電気自動車」は、CO2の排出量もゼロで走行音も静かであるため、首都圏の住宅密集地や駅周辺などの環境下でも人や街にやさしいモビリティです。
コンパクトな車体は、日本の道路事情にも適していて、軽自動車よりも幅の狭い車体は、従来通りにくかった道路も軽快に走れます。
2021年7月24日から予約注文が開始され、2021年の11月ごろから納車が始まる予定です。
商用に十分なスペック
車幅は1メール45センチ以下とスリムで、ホイールベースも1m80センチと小回りの利く仕様になっています。ラインナップも3種類、それれぞれバッテリー容量に違いがあり、満充電で120kmと200km走れる2種類があります。
コスト削減とCO2排出量ゼロ
バッテリーはリチウムイオン電池で、120km走行できるものには13kWh、200km走行できる方には25.92kWhの電池が搭載されています。200V・15Aの一般的なEV充電用コンセントから充電を行うと、13kWhの電池でおよそ6~8時間、25.92kWhの電池で10~12時間の充電時間が必要となります。
東京電力の一般的な電気料金は1kWh あたり27円程度であるため、満充電にかかる電気代は13kWhの電池でたったの351円で、およそ120km走行できることになり、燃費の大幅節約にもつながります。
(※仮にガソリン1L 150円だとして、1リットルで12km走る軽自動車と比較すると、120km走行するのに1500円かかります。)
電気自動車は内燃機関がないのでエンジンオイルの必要がなく、オイル交換も不要です。また回生ブレーキなどによりモーターによるブレーキが利くため、ブレーキパットなどの消耗品の減りも非常に少なくなります。部品点数が少ない事もランニングコストの削減に貢献します。
更にCO2の排出量がゼロであるため、停車時の排ガスや騒音などもなく、周辺環境への負担もなくなります。
BCPの観点から停電時にも活躍
また、災害時などには、ELEMOに蓄電されているバッテリーを蓄電池代わりに利用し、お店や会社へ電気を供給することができます。一般家庭で4人家族が1日に消費する電力の平均は18.5kWhと言われているため、最低限の機器を動作させるには十分な蓄電池としての性能も持っているということになります。
配達車両としても十分な積載量と航続距離
荷台ボックスタイプは2270×1400×1200mmというサイズで、500kgまで積載可能なので、各種配達業務にも十分役目を果たせます。
宅配業者などが拠点から各地域を配達する場合の一日の平均走行距離は30km~40kmと言われています。よく動く人で50kmと言われていますから、仮にその倍の配達距離になってしまったとしても、100km程度となり、120kmグレードのものでも1日の仕事を十分にこなす事が可能です。
配達拠点に戻ればまた充電器に設置するため、翌朝には満タンになっています。
コンパクトな車が新しいビジネスの可能性を生む
タイヤ幅は1.1メートルしかなく、狭い農道も走れるため、道幅が狭い道路や込み入った路上駐車の多い場所などもストレスなく走れます。
排気ガスが出ないクリーンな自動車であるため、環境に配慮しなければならない所や狭い工場内、生鮮市場構内など様々な場所での活用が期待されます。
さらに、電源がない場所での「電源車」としての役割としても利用できます。カスタマイズできる荷台は様々な業種に合わせた利用が可能になるため、小型のEVトラックによって新しいビジネスが生まれてくるかもしれません。
EVベンチャーが作ったELEMO
ELEMOを手掛けるのは、2019年に東京に設立されたばかりのHW ELECTRO社です。
ELEMOの製造はアメリカのCENNTRO社が手掛けていて、ラダーフレーム部分はメルセデスやBMW、TOYOTAなどの生産も行うオーストリアのマグナ・シュタイアのものを採用しています。
すでに生花の通販・店舗販売による配達業務を行っている「花キューピット」などがELEMOを使った配達の実証実験を進めていて、今後は、この価格帯からの魅力も手伝って、多くの中小企業から支持を得るでしょう。