EVが支える中国の自動車市場
中国は近年、電気自動車の分野でも世界の牽引役として台頭しています。2021年も例外ではありません。ウォールストリートジャーナル(以下WSJ)の発表によると、中国の自動車市場は、電気自動車の好調な販売に支えられ、過去3年間の減少傾向に歯止めがかかりました。
中国の自動車市場の成長を後押ししたのは、やはり電気自動車とプラグインハイブリッド車の堅調な販売です。昨年は299万台となり、中国での乗用車全体の販売のうちの15%を占め、前年比で2倍以上の伸びを見せました。Tesla に続き、Xpeng や NIO などの新興EVメーカーが記録的な販売数を叩き出しています。
加速しつづけるEV産業、ガソリン車は先細り傾向に
しかしこれは、中国で展開する全ての自動車メーカーに当てはまった訳ではありません。中国最大の外国ブランドであるフォルクスワーゲングループは、中国でのグループ全体の売上高が約14%減少し、また日産自動車は5.2%減、本田技研工業は4%減など、多くの伝統的な内燃機関メーカーがそれぞれ減少をたどりました。
一方、アメリカの電気自動車メーカーであるテスラは、昨年、上海工場製の自動車を47万台以上販売し、その約3分の1(936,000台以上)が海外に輸出されたことを発表しました。テスラ中国工場の売り上げは、世界を席巻しています。
香港の日刊紙サウスチャイナモーニングポスト(南華早報)は「テスラは昨年12月に70,602台を国内の顧客に納入し、9月に納入した52,153台を更新した。年間ではモデル3とモデルYを合計321,000台納入し、前年比で117%増加した」と述べています。テスラは過度な需要の集中を抑えるために、上海製車両の販売価格をこの5週間で2回も引き上げたにもかかわらず、その販売実績は驚異的な数字となったのです。
WSJは今後の中国の自動車市場を予測し、2022年も従来の内燃機関は横ばい、またはわずかに減少し、電気自動車がさらなる成長をたどるだろうと見込んでいます。
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