土曜日 , 4月 20 2024

遂に歩き出したテスラの人間型ロボ

テスラの人間型ロボット「オプティマス」

テスラが開発を続けている人間型のロボット「オプティマス」の最新動画が公開されました。2022年の発表時には人がタイツのような着ぐるみを着ただけのダミーでしたが、開発が進みいよいよロボットのような動きでテスラの車両工場内を歩くオプティマスの様子が見て取れます。

Tesla robot teslabot humanoid optimus エレクトリックライフ Electriclife

テスラは車両の開発を後回しにしてでも、このAIロボットの完成を急ぐとしていた割に、AI部門のスタッフを解雇するなどいまいち理解しがたい報道がいきかっていました。

このロボットには、テスラの自動運転技術やそれに欠かせないAI技術などの更に上を行く最先端のテクノロジーが要求されます。2足歩行で人間のようにふるまうには、各種センサーだけでなく、目に映る映像から周辺の状況を理解して次の行動を瞬時に判断していくという高度な情報処理を必要としています。これはまさにテスラの車両に搭載したい自動運転の技術で、FSD(Full self driving:完全自動運転)の真価が停滞している今、テスラとしては人間型ロボット(ヒューマノイド)の開発を進めることで、FSDを実用レベルにまで持っていくという目論見もあるのでしょう。

いよいよ歩き出し、そして力の加減を覚える

公開された動画内では工場内や外を歩くシーンがありますが、人と比べるとまだまだ何となく不安定な歩き方をしています。

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一方で、物をつかんだり、割れやすいものとの接触の際に力加減を調整するような研究が進んでいるようなシーンも用意されていて、その動作はまるで人間が行っている動作から学習したような滑らかな動きになっています。

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テスラCEOのイーロンマスク氏は、このロボットを普及させることで、人間が危険な作業やつまらない作業から解放されるようにしたいとし、普及させるためには2万ドル以下での販売を目指したいとしています。乗用車1台程度で生活をサポートしてくれるロボットを手に入れられるなら、それはかなり普及するに違いありません。

この開発と共に、早期のFSD実現も早く見たいものです。

AIの開発に手加減はできるのか?

着々と開発が進むヒューマノイドですが、ChatGPTに警鐘を鳴らす動きがあるなど、AI分野をめぐる様々な議論があるなか、どの程度までAIの能力を高めるかというのは、もはや人間には判断できないところまで来ていると言えます。

そもそも人間が人間のようなものを作り出すというのなら、全力で取り組まなければ達成できないでしょう。マスク氏は、それでもロボットの制御は可能としていますが、人間が制限を与えていては、おそらく満足のいくロボットにはならないのだろうと感じます。

よくある未来の映画のように、人間の存在自体が合理的でないという判断にだけはなってほしくないものです。

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