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EVオーナー向け充電カード「ZESP3」普通充電無料を廃止へ

日産が提供する「ZESP3」が大幅に内容を変更

日産自動車株式会社は、電気自動車オーナー向けの充電サポートプログラムである「ZESP3(NISSAN Zero Emission Support Program:日産ゼロ・エミッション・サポート・プログラム3)」の利用料金を大幅に見直し、2023年9月1日より、新しい料金プランと契約内容をスタートすると発表しました。

ZESP3 CARD ゼロエミッションサポートプログラム ELECTRICLIFE エレクトリックライフ

ZESP3は全国の充電ネットワークを提供しているe-Mobility Power(イー・モビリティ―・パワー)が運営する急速・普通充電器を利用できるサービスで、日産のEV以外のEVオーナーでも加入できるという魅力があり、輸入車など充電のためのカードを発行していないメーカーのEVオーナーにとってありがたいサービスとなっていました。

電気自動車の利点は自宅で充電できることですが、自宅に充電設備を設置できない集合住宅などに住んでいるユーザーには特に人気で、急速充電器で充電する場合の料金を比較的安く利用出来たり、スーパーマーケットなどに設置されている普通充電器などでは、どれだけ使っても「0円」という使い放題の状況でした。

2023年8月31日までの充電プラン

20230831 ZESP3 PLAN エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

自宅充電の人も必要だった充電カード

そして、自宅に充電設備を設置している人でも、たまに出かけた際には公共の急速充電設備や普通充電設備を使う事になるわけで、その際に、eMobility Powerの充電ネットワークであれば、充電カードが無くてもビジター料金で利用できますが、そのたびにQRコードを読み込んでクレジットカード番号を入力する手間を省くために「シンプルプラン」で充電カードを持ってしまえば利便性が良いため、こちらも充電カードを持つ理由となっていました。

日産EVオーナー専用プランへと変更

ZESP3カードが最も支持されていた理由の1つが、先にも述べた日産EV以外の人でも加入して充電カードを持てるという点にありました。通常他の自動車メーカーでは、自社のEV専用の充電カードという事になります。他メーカーのEVに乗っている人でも、現在加入中の人は今のところ継続して利用できるようですが、新規での契約は出来なくなるようです。

日産リーフ サクラ エレクトリックライフ ELECTRICLIFE.JP

また、3年間の長期契約による割引プランは2023年5月31日以降は加入できなくなり、このプラン自体も無くなるという事です。

普通充電無料プランは廃止へ

ZESP3のプレミアムプランでは、従来用意されていた普通充電無料プランについてはどこでも「0円」で充電ができるという充電し放題というのがありましたが、このプランは廃止になります。有料になったと言っても比較的良心的な設定になっていると言えます。

シンプルプランは大幅値上げへ

自宅充電の人でも、たまに出かけるために、念のため充電カードを持っておこうという人には月額550円で維持てきたシンプルプランの充電カードはなんとか維持しておくのに良いプランでした。しかしながら今回の改定で1,100円と倍になってしまいます。これだと、ビジターでQRコードを使っての充電に流れる人も多くいる事でしょう。

以下2023年以降のZESP3のプラン

20230901 ZESP3 PLAN エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

EV費用補償やレスキューコール、レンタカー割引などのサービスは残るとしても、車両保険に入っていれば、それらサポートは受けられるものばかり。レンタカーについては、使いたいレンタカーは割引率が低かったりするなど、自宅充電可能な人が充電カードを持つ意味もなくなってきたかもしれません。

プレミアムプラン利用者からの非難、解約必至

無料で使っていた人が有料と言われればそれは納得いかない物でしょう。こうなれば非難やプレミアムプランの解約者がでてくるのは当然の事でしょう。

でも、実はとても良い変更

一見ただの値上げに見える今回の改定ですが、EVの普及という点で見れば、実はとても良い変更とも言えます。そもそも資源の無い我が国で電力を使うためには、それなりにコストがかかります。無料というのはありがたいことですが、無料だけにそのありがたみを忘れてしまいがちです。こうなると充電マナーなども悪くなり、EVの利便性や安全性など、サービスの質もどんどん低下していきます。

普通充電 エレクトリックライフ ELECTRICLIFE

普通充電は広がっていくべき

電気自動車の最大の魅力は「自宅でエネルギーの補給ができる」というところにあります。今回の普通充電0円がなくなることで、自宅への充電設備がより重要になります。そして、より多くの公共施設や車両が停車している場所に普通充電設備が増えることになるでしょう。なぜなら、設置施設側への電力負担が軽減され、多少の収益などが発生するようになれば、充電スタンドのメンテナンスも進みます。客が駐車場に長時間滞在するようなビジネスであれば、サービスに付加価値をつけることもできるようになります。そして有料にすることで一定層のマナーを無視する人たちを排除することもできるでしょう。

EVは基本的に「ながら充電」ですから、走ってきた距離分くらいをついでにチャージできる場所があちこちにあれば、必要な時に必要なだけエネルギーを取れるような状態にもなります。

急速充電器などは環境負荷が高すぎる

今回、プレミアムプラン契約者のメリットだった0円充電が無くなることで、解約する人も増えるでしょうが、それにより普通充電があちこちに広がればEVの普及は益々広がります。

急速充電器がどれくらい早く充電できるかが勝負と考えている人たちもいるようですが、急速充電器はその設置や車や環境にとってあまりにも負荷が大きすぎます。電力として100A以上の電流を一気に流す装置は、設置者に大きな負担となり、また車両の電池の寿命を縮めることからエコとは言い難いものになっています。大電流は装置自体にも負荷がかかるため、急速充電器はしばしば故障しています。

今回の日産の発表文章の中に「カーボンニュートラル社会の実現に向けて・・・」と言う言葉がありますが、その点でいえば、今回の改定は理解できる変更であると言えます。

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