テスラの充電設備を他社EVにも一般開放
テスラCEOのイーロン・マスク氏は2021年7月に、テスラが開発した独自の充電設備であるスーパーチャージャー(SC)を、他社製EVでも利用できるように一般開放することを示唆しており、同年11月にはオランダで試験的な開放が開始されました。そして今回、オランダに続きフランスとノルウェーでも試験的開放を始めることが発表されました。利用できる各充電サイトの場所はテスラのスマートフォンアプリで確認することが可能です。
Non-Tesla vehicles can now charge at all Superchargers in the Netherlands via the Tesla app. Learn more at https://t.co/hjybH0ROdl pic.twitter.com/zjomySylf9
— Tesla Charging (@TeslaCharging) February 14, 2022
開放に最も適した地域のEV事情
EU-EVs.com の記事によると、フランスでは2021年に161,927台のEVが購入され、中でもルノーの人気が最も高く、その内の約20%を占めています。テスラはトータルの売り上げ数では2番手になりましたが、車種別に見ると、最も人気の高いのはテスラの「モデル3」。その売り上げ数は「ルノー・ゾエ」を1,400台も上回っています。
またノルウェーは世界で最もEVが社会的に広く浸透している国と言われており、既に2021年のEV販売数がガソリン車を上回り、ノルウェーでのガソリン車の販売は2022年の今年が最後になるだろうとも言われています。
このように、これらの国々にはEVへの高い関心や寛容さが土壌にあり、また実際にテスラに限らずEVが非常に多く出回っており、スーパーチャージャーの試験開放スタート地としては非常に理に適った理想的な地域で、今後広く受け入れられていくことでしょう。
前述の記事によると、テスラはノルウェーにおいても2021年最もシェアが高かったブランドというタイトルを獲得しており、EVマーケット全体の17.1%を占めています。車種別に見てもテスラ「モデル3」が最も多く12,057台。2位との差は3,400台を上回っています。また「モデルY」は3位となりましたが、その8,266台という売上高は、2位のフォルクスワーゲン「ID.4」から僅か400台程の差です。
今後の開放予定は
テスラは今後も充電サイトの開放箇所を増やしていく予定ですが、今回の限定かつ試験的な開放で得た経験、評価、混雑具合など様々なフィードバックを今後の拡大に反映していきたいと語っています。テスラは現在、世界に合計で30,000基以上のスーパーチャージャーを設置していますが、持続可能なエネルギーへの移行を世界の国々で加速していくため、これからも様々な国や地域において充電サイトの一般開放を拡大していくことでしょう。
上記3か国におけるテスラ車以外のEVへのスーパーチャージャーの利用は、現在、オランダ、フランス、ノルウェー、ドイツ、ベルギーに在住するEVドライバーのみに限定されています。
日本ではまだまだEVの市場が小さいですが、今後高性能な海外のEVが入ってきた際には、日本のCHAdeMoではそのスペックの低さから満足いく充電スピードが提供できません。日本の公共の場にあって唯一大容量の電力供給な可能な充電設備はこのスーパーチャージャーだけになりますから、スーパーチャージャーの設置台数が増え、日本のEV市場が大きくなれば開放という話になっていくかもしれません。
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