木曜日 , 3月 28 2024

EVを利用する場合に知っておきたい充電の知識

電気で走るEVに乗る際に知っておきたい電気の知識

EV(電気自動車)を上手に活用するためには電気の知識は不可欠です。EVはガソリン車とは全く別の「電気」エネルギーで走行するわけですから、その性能を引き出すためにはユーザーが電気の知識を知っておかないと、ガソリン車よりも不便なも乗り物になってしまいます。

EVは電気をバッテリーに充電して、その電気のエネルギーでモーターを回して走る自動車です。「電気」といっても大きく分けて2種類あって、1つは直流(DC)、もう1つは交流(AC)でどちらも家庭で使われていて、EVでもこの両方を使っています。(※DCとACのより詳しくは別記事を参照してください。)

EVの充電は大きく2種類ある

EVを充電する際には自宅の壁に充電器をつけたり、充電用のコンセントをつけて充電を行う「自宅充電」と、高速道路や公共施設、ディーラーなどに設置されている「急速充電器」があります。

自宅充電は交流(AC)

自宅充電は通常「交流(AC)」電力によりEVの充電を行います。しかしバッテリーは交流では充電できません。そのため交流(AC)から直流(DC)に変換して充電を行います。EVにはオンボードチャージャーと呼ばれる交流(AC)を直流(DC)に変換して充電を行う回路が搭載されていて、これにより自宅側の充電設備は簡単なもので済むわけです。通常一般家庭に来ている交流電力は100V/200V程度の低い電圧の物で、電流値も多くても60A程度です。そのため小さい電力でのAC-DC変換は車載程度の小さなオンボードチャージャーで可能です。

EVの充電 エレクトリックライフ ELECTRICLIFE.JP

急速充電器は直流(DC)

一方で、高速道路のSAや公共施設、ディーラーなどに設置されている急速充電器は、そのAC-DC変換を充電スタンドの中にある回路で行っています。電池はDCでないと充電ができませんので、EVへ直流(DC)で充電を行います。充電スタンドの中で変換するので、車に搭載した回路よりも大きな回路を組むことができ、また放熱なども十分に行えることから数十kW~数百kWという大電力で充電することができます。2022年3月現在、日本国内では最大でも150kWの急速充電スタンドしかありませんが、海外などでは350kWなどのパワーをもつ充電スタンドがあります。

家充電は理論値通りにいかない!

さて、この交流充電になっている家充電ですが、AC-DCのように電気を変換する回路では電力損失が発生します。例えば200V、20Aという自宅充電での交流電力は4kWとなります。もし、40kWhというバッテリー容量の電池なら0から充電したら10時間で充電完了するという理論値になりますが、そうはいきません。実際にはもっと時間がかかってしまいます。

家庭用テスラ充電器 ELECTRICLIFE.JP

これは外気温やバッテリー温度などによって充電スピードや変換回路での損失が発生するからです。またリチウムイオンバッテリは充電の最後(残り20%~10%くらいから)では、充電スピードが極端に遅くなるという性質もあります。

電力の計算式を覚えよう!

電気を送り出す力の事を「電圧(単位はボルト[V])」といい、ケーブルなどを流れていく電気の流れを表す言葉を「電流(単位はアンペア[A])」といいます。良く出てくる「電力(単位はワット[W])」とは、電気が作り出す力の事を言います。電力を求める計算式はとても簡単です。

電力[W] = 電圧 [V]×電流[A] 

これだけです。ちょっと実践で練習してみましょう。公共の場所にある急速充電器で充電しているとモニタには以下の様な表示が現れます。表示では充電電圧が363V、充電電流が121Aなので、充電電力[W] = 363 ×121 = 43,923 [W] これを[kW]にするとおよそ44[kW]となります。この充電器は最大で50kWの充電器でしたので、ほぼその性能を出しているといえます。

充電スタンドの表示 エレクトリックライフ ELECTRICLIFE.JP

日産リーフの電池容量40kWhモデルを想定すると、40kWhとは、40kWで1時間という意味になりますので、44kWという出力がずっと保たれれば、理論値では残量0から満タンまで1時間かからずに充電可能という事になります。

電力の計算はとても簡単です。EV乗るなら覚えておくことで、利用している充電スタンドでどれくらい充電できるかなどを直ぐに理解できます。

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