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電気の基本「直流」と「交流」を理解しよう

電気は大きく分けて2種類あります。

電気には「直流:DC」と「交流:AC」という2種類があります。私たちの生活に欠かせない「電気」ですが、私たちの生活の中でも、この直流と交流はどこにでも当たり前のようにあります。電気自動車(EV)などもこの2種類を使用しています。だからこそ、それらがどういったものなのかを正しく理解しておく必要があります。

AC-DCコンバータ ELECTRICLIFE.JP エレクトリックライフ
自宅のコンセントまではAC100V。家電の多くはDCなのでアダプタで変換。

実は自宅にある家電品の殆どが直流で動作する電気製品ばかりです。後程解説しますが、発電所から自宅へは交流(AC)で送られてきた電気は自宅のコンセントで100Vという電圧のACとして供給されています。その先でAD-DCコンバータ(ACアダプタ)で交流から直流に変換して使っています。

「直流(DC)」とはどんな電気なのか?

直流は「Direct Current(DC)」と言われ、身近なものに「電池」があります。「電池」と呼ばれるものは全て、直流を流すための源(みなもと)となっています。つまり電池を搭載している電気製品の殆どが直流のみで動作しています。

直流は電気が+極から出て-極に戻るという一方方向にだけ流れる電気という概念です。下の図では、電池の+(プラス)から電気が流れ、電球に灯りをつけて-極に入っていきます。このように電池と電球(負荷)を銅線で接続して簡単に電気が取り出せて、一方向に流れる電気は全て負荷を通過します。

直流は交流に比べて電圧を変化させるのが容易ではないというデメリットもあります。しかし近年、電気利用も進み直流電圧を必要な直流電圧に変えるDC-DCコンバートの技術も進化して以前に比べてはるかに容易になってきています。

電気が流れる場所には磁界が発生します。直流はずっと一方向に電気が流れているため、長時間電気を流していれば、その静電誘導などによりケーブルの経年劣化などが交流と比べると起こりやすかったり、デメリットもあります。

発電所から送られてきて、自宅のコンセントまでは「交流」

自宅の壁のコンセントには「交流(AC:Alternating Current)」という電気の流れの向きが交互に変わる電気が来ています。自宅に送られてくる電気は発電所でACに生成されて、高い電圧で送電され自宅まで届きます。なぜ直流で送らないかと言うと、長距離の送電を行う際に交流にした方が送電による損失を少なくすることができるからです(より詳しくは記事最後の関連リンクから)。

下の図のように0から始まって、一度プラスのピークになり、また0になって今度はマイナスのピークになって0になるまでを1周期(サイクル)といい、1秒間に何周期になるかを周波数と言い、単位は「Hz(ヘルツ)」です。日本の交流は東日本では1秒間に50周期、西日本では60周期なので、50Hz、60Hzのどちらかです。

交流は発電所から60万V(ボルト)というとても高い電圧で送電されますが、直流と比べて電圧を変化させやすいため、各地域にある変電所などで電圧を変圧し、最終的に自宅に一番近い電柱についている変電器(下図)で100Vまで落として家庭に電力を供給しています。

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自宅に一番近い電柱についている変電器

一般家庭ではACからDCへと変換して利用している

ここまでで、交流の役割としては、発電所から自宅まで電気を運ぶような大規模な送電インフラでは、電圧の変更が容易な交流(AC)が都合がよく、家庭内で使うような小型の電子機器や電池で動かせるものは回路が簡単にできる直流(DC)を用いるというイメージでよいと思います。

電気自動車はバッテリーを搭載しているため、充電された電気を直流で利用しますが、モーターが交流モーターを使っている場合が多く、ACアダプタの逆で、直流から交流へと変換する「インバーター」を利用して交流モーターを動作させています。

それぞれ変換する際には損失が出るため、ACからDCにしてまたACにしているというのは実はかなりのロスがあるという事です。

関連リンク

交流が長距離送電に適している理由

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