いよいよ国産の乗用車EV最後の試乗!
現在発売されている乗用車クラスのEVはこれで最後の試乗。最後はマツダのEV、MX-30EVです。なんと埼玉県内には2台しかないという事で、しかもそのうち1台がお客様に貸し出したところ事故して帰ってきたという事で、試乗したときには県内に1台しかありませんでした。
埼玉県は朝霞市にある関東マツダ朝霞店のみで試乗ができるということでしたので、そこまで行ってみました!
マツダの人気SUVと言えば、CX-5でしょう。街で見かけるのも圧倒的にCX-5が多いですが、最近ではCX-30も売れているようです。そんななか、唯一のEVを出しているのがMX-30です。
CXシリーズのグリルからはちょっと薄くなった顔が違ったシリーズのSUV感があらわれています!
最も特徴的な観音開き!
このMX-30EVの最も特徴的な部分が横から見た「観音開き」のドアです。この観音開きドアは、後部座席に乗り込むときにもとても乗りやすいのですが、後部座席用ドアだけを開くことができず、必ず運転席や助手席のドアを開けてから後部座先に乗り込むドアを開ける形になっています。また閉めるときも後部座席ドアを閉めてから運転席・助手席のドアを閉めることになります。
この観音開きがどういったときに便利かというと、後部座席に荷物を載せるときにいちいちドアを回り込まずに運転手が最小の動きで納めることができるのです。これは小さい子供を後ろに乗せたり、ペットを載せたりするときにとても便利。子供を乗り降りさせるときも安全な乗り降りができます。
この独特のドアはこのように利用者を選ぶものの、他にない新しい車の使い方の可能性もみえてきます!
スピードメーターの他にAV関係を映すモニタが中央に設置され、更に空調コントロールの液晶もシフトレバー前に配置されています。AVコントロールは手を伸ばさずとも運転手が手元でできるようジョグダイヤルが用意されています。
シフトレバー下には、広めの空間があり、この部分についてはコルクが使用されています。マツダはもともと「コルク」を生産する「東洋コルク工業」という会社からスタートし、1984年にマツダ株式会社に改名しました。そのマツダの原点をとりいれたデザインになっているといわけです。、、、という話を2019年のモーターショーの時にききました^^;
その空間部分にはUSBポートと、HDMI入力も搭載していて、AV機能を拡張できるようになっています。
走りの性能が最大の特徴!微細なトルク・コーナーリング
MX-30EVの最大の特徴は「走り」の性能です。EV感を出すワンペダルドライブは無いものの、それよりも安定した走りに電気自動車としてもモーターを活用し、それを微細にコントロールすることで自然で心地よい走りと操縦感をドライバーに提供しています。
EVは加速感にどうしても目が行ってしまいますが、マツダがこだわっているのが、全体としての走りの性能の向上だと感じます。それは運転してみるとよくわかるもので、マツダが独自に開発をしているe-GVC Plus(エレクトリック・G-ベクタリングコントロールプラス)は、走行中にかかる前後上下などあらゆる向きに発生する「G」を最適に制御し、車体の挙動を安定にもっていきます。そのため、コーナーでのロールから直線へとぬけていくまでの安定感がほかのEVに無い感覚をうけます。
つまり、EVの中でも走りの安定性の制御にとことんこだわっていると言えます。他のEVのような派手な加速感や自動運転技術などは搭載していないもののEVの良さを走りの性能へ凝縮していっていると感じます。
唯一のクロスオーバーSUVクラスのEV
MX-30は唯一のSUVクラスのEVです。以前試乗したレクサスのUX300eについては、クロスオーバーというカテゴリにはいっているけど、やっぱり乗用車のツーリングワゴン的な感じがしますが、このMX-30EVはSUVといえるクラスです。そのため荷台のスペースも広く、SUVとしての活用を意識して利用できるEVであると言えます。
もう少しだけ走ってほしい!!
EVの弱点と言われてしまう航続距離ですが、国産乗用EVの中でMX-30EVは残念ながらワースト1位。バッテリー容量もSUVセグメントのわりに35.5kWhとHonda-eと同じ程度しか積んでない!
以下そのスペックです。
型式:MX-30 EV model
- バッテリー容量:35.5kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):256km
- 航続距離(EPA):178 km
SUVならAWSで、できれば電池容量をもう少し挙げて、EPAサイクルで200km越えはどうしても欲しかった・・・。
いや、300kmくらいは走ってほしいですね。SUVはキャンプとかでもその威力を発揮します。この航続距離でキャンプ場で電源として使ってしまうとさらに航続距離が落ちてしまう。この航続距離だと街乗り。せっかく走りの性能をたかめているのだけど、山道などのワインディングロードを走ることを想定するなら都心からもう少し遠くまでは走らせてもらいたいです。こうなるとSUVクラスでなくて、コンパクトなMAZDA2やMAZDA3などのセダンあたりに搭載して、e-GVC Plusの性能をいかんなく発揮してちょっと郊外でのドライブを楽しむという位置づけの方がよかったのかもしれません。
・・・ということで今回MX-30EVは、検討対象からははずれてしまうかな・・・・。鬼のようなマツダファンだったとしたらそれでも強引に編集部用のEVとして推したかもしれませんが、これだと・・・。
国産車乗り終えて、、、やっぱりアレになりそうかな・・・。