電動化で世界をリードするノルウェー
電気自動車の普及で世界をリードしている国、ノルウェー。この国の昨年の電動車の市場シェアは12月に90%に達し、年間全体で見ても86.2%となりました。同時にガソリン車の販売数も例年の約2倍となっていますが、これは翌年1月以降に排出ガスへの課税が増税されるための駆け込み需要と考えられ、これにより、自動車販売全体の売り上げ数は20,567台に増加し、パンデミック前の平均を54%上回りました。
90.0%シェアを達成した電動車の12月内訳は、BEV(フルバッテリーEV)が67.1%、プラグインハイブリッドEV(PHEV)が22.9%。
年間で見ると、2021年の市場シェアはBEVが64.5%で前年の54.3%から増加。PHEVも21.6%で前年の20.4%から増加。プラグイン全体のシェアは、2019年の54%、2020年の74.7%に続き、2021年には86.2%と年々増加を辿っています。2021年12月の月間販売台数は、BEVは9月の記録的ピークとほぼ同じ数値で一致しましたが、PHEVは過去最大の4,700台を超え、最近の平均月間販売台数の約2倍となりました。
このPHEVの躍進は2022年1月1日から始まるCO2排出税の増税が背後にあり、CO2排出車の登録に今後5%~10%が増税されるため、多くのディーラーがこれらCO2排出車の販売を12月中に集中させたためでしょう。トヨタ、ボルボ、BMWなど、PHEVや従来のガソリン車を重点的に展開しているブランドは、この年末の投げ売りによって例年同月の販売数を上回った訳ですが、今後、排出規制や増税により、明らかに1月と2月にはその反動での売り上げの減少が予想されます。
これらの非BEV車の販売は今後落ち込み、BEVにさらに強い市場シェアを与える事となるはずです。
ノルウェーではテスラモデルYが首位!
内燃機関に対する厳しい規制前の異常な上昇は別として、12月はテスラが従来通り四半期末にモデルYが2,378台で1位となり、旧モデルのモデル3(1,968台)を一歩上回りました。また、新しいBMW iXがその優れたパフォーマンスが注目され、高価格帯にもかかわらず709台で4位に入っています。また同様の高価格帯に位置するポルシェタイカンが507台で8位になっている事も印象的です。
ここ3か月の最近人気モデル売り上げを見ると、テスラが他を大きく引き離して筆頭に立ち、またVWグループのBEVへの取り組みの成功が見られ、売り上げトップ20内に3つのモデル(ID.4、ID.3、UP!)がランクインしており、第4四半期のBEV市場全体の29.3%を占めていることがわかります。一方、テスラは引き続き好調で、第4四半期に上位2位、18.4%を占め、ヒュンダイが11.4%で3位と続いています。
今後もEV化が進むノルウェー
税率の変更は市場を大きく前進または後退する原因となり、12月の結果はその良い例となりました。12月は、内燃機関の売り上げにとってラストチャンスであり、月間売上高はここ数か月の約2倍でプラグインの市場シェアを一時的に低下させましたが、それでもプラグインシェアの90%という値は悪くはなく、今後BEVシェアはさらに加速するでしょう。 12月の異常な状況を除けば、BEVは過去5か月間70%をはるかに上回っており、今後数か月で元のレベル(およびそれ以上)に戻ると見込まれます。
2022年3月には、プラグインがノルウェーで約95%のシェアを占め、BEVだけでは80%から85%になると予想されています。