京都府が軽EVをタクシーとして採用!
京都と言えば日本を代表する観光スポットです。コロナ禍で姿を消していた外国人観光客も、入国規制の緩和により徐々に増えつつある中、軽の電気自動車(EV)として人気を集めている「日産サクラ」をタクシーとして採用し運用を開始しました。
観光客が非常に多い京都府の道路は、いつも人であふれています。細い小道に多くの人が通る中、観光タクシーが通り辛そうにゆっくりと走行する様をよく見かけます。サクラは後部座席のスペースも広く、小道や坂道の多い京都の町もキビキビ走り、人混みの中をゆっくり走行する場合、周囲に排気ガスを振りまくことも無いでしょう。待ち時間にちょこちょこ普通充電でき、タクシー会社のエネルギーコスト削減にもつながります。
走行距離に応じて環境活動団体への寄付
この軽EVサクラタクシーの導入については、京都府と京都府タクシー協会に加盟するエムケイ、都タクシー、京都第一交通の3社が連携し、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として行っているものです。車両を提供する日産自動車については、同社が日本電動化アクションとして実施している「ブルー・スイッチ」と呼ばれる地球課題解決活動の1つに位置づけています。
今回の軽EVについては、DONATION TAXI(ドネーションタクシー)として運行する予定で、乗車距離に応じ1㎞走行することに10円を京都で環境活動を行っている団体へ寄付することになっています。この軽EVサクラタクシーを利用すればするほど環境への貢献もできる仕組みになっています。これも電気自動車の燃料エネルギーコストが低いことで実現できているとも言えます。
京都府を走るタクシーが全てEV化されれば、市中からCO2だけでなく、排ガスの問題でもあるNOxやVOxの削減にもつながり、よりクリーンな環境での観光を提供することにもつながります。
各観光スポットでの充電スポット整備も課題
日産サクラはWLTCモードで満充電での航続距離が180km程度、エアコンをつけての実際は、140km程度となっています。観光タクシーの走行距離は16km~30km程度の距離を3時間~6時間程度かけて移動します。移動先では寺院などを散策するわけですが、タクシーを停車させている間に普通充電などが可能であれば、このくらいの消費分は各地で回収できてしまいます。今後は各地のバス・タクシー専用駐車場に観光タクシー専用の「普通充電」スポットを設置していく事が必要になってくるでしょう。
タクシーでの利用が広まることにより、その利便性やEVの乗り心地を体験することで、一般へのEV普及の後押しになるでしょう。これにより、ゼロカーボンシティ宣言を行った京都府としての新たな脱炭素社会に向けたチャレンジが始まります。