人気のV2H充放電設備導入促進補助金スタート
昨年も人気で、あっという間に予算を使い切ってしまったV2H充放電設備の新規導入に利用できる補助金が2024年6月20日より交付申請を開始しました。
V2H充放電設備とは、V2Hに対応している電気自動車(EV)であれば、自宅やオフィスに設置することで、EVへ充電するだけでなく、災害時などに停電が発生した場合に、EVから自宅やオフィスに電力を戻す事ができる充放電設備です。
国産の電気自動車は殆どがV2Hに対応しているため、EVを導入したら自宅に設置すべきものになりますが、その設置コストが高いため、なかなか導入にいたっていません。
しかしながら災害が多い我が国で、災害発生時に送電網が寸断されてしまっても、電気自動車を活用して電力を地域に届けることができるようになるため、V2H充放電設備の普及は災害に強い地域づくりにつながると言えます。そのため国は今年度、公共施設・災害拠点・個人宅・法人に対しておよそ60億円の設置費用を用意しています。
その第1期、40億円分の交付申請が6月20日から始まりました。
今年度のV2H充放電設備への補助要件
今年度は昨年度に比べて全体の予算は50億円から約60億円へと増額されたものの、個人宅と法人に設置する場合の機器本体に対する補助額が1/3(最大30万円)へと減額されてしまいました。公共施設などについては昨年同様1/2(最大75万円)となっています。
また工事についても個人・法人は最大で15万円までとこちらも減額されています。
V2H充放電設備を個人宅に設置するのにおよそいくらかかるか?
これは自宅の電力の契約状況や配線、設置場所で大きく変わりますが、最も設置の多い人気の機種であるニチコンのEVパワーステーションVCG-666CN7の場合で見てみます。
- VCG-666CN7の本体価格:898,000円(税抜)
- 工事費:15万円~60万円(税抜)※自宅の設備状況により更に高額になる場合があります。
最も工事費が安く抑えられたとしても最低でも工事費は15万円はかかりますので、合計でおよそ105万円になります。本体価格は業者により値引きなどがあるかもしれませんが、仮にこの場合、受けられる補助金はまず本体分が898000円の3分の1ですから、299,333円と工事費15万円となり、約45万円の補助が受けられ、実質60万円での購入が可能になります。
地方自治体の補助金も併用で実質負担0も!
国の補助要件は個人・法人の場合は本体1/3、工事費15万円まででしたが、都道府県や市町村もそれぞれV2Hに対する補助金が用意されている場合があります。
たとえば東京都などは、戸建ての住宅に対しては、助成対象経費の2分の1で最大50万円を上限として、国の補助金も利用する場合は助成対象経費の2分の1の額から当該補助金の額を控除した額で受けることができます。
埼玉県などは、国の補助金のほかに最大で25万円の補助が受けられ、このほかに市町村が補助金を用意している場合もあり、市によってはV2Hに対して30万円の補助金を用意している場所もある事から、実質0円に近い形での導入も可能な地域もあります。
補助金を受けるために何から始めればよいか?
まずは、導入するための工事業者と打ち合わせを行います。補助金に慣れた工事業者であれば、国の補助金の手続きは殆ど業者が担ってくれます。以下のリンクはオンラインで問い合わせ可能な設置業者です。
他にも、EVを購入したディーラーに相談する方法や、V2H本体を販売している「ニチコン」などに問い合わせる方法もあります。
都道府県や市町村は自分で申請
都道府県や市町村の補助金に関しては地域により異なるため、自身で行う事になります。各都道府県の公募要項などをご確認ください。
人気の補助金であるため、なるべく早い動き出しが必要です。少しでも補助金を利用して設置してみようと思うのであれば、とりあえず設置業者から見積もりを早めにとって、申請だけでも早めに行っておきましょう。
関連リンク
- 【V2H】補助金を使って電気自動車の充電設備をお得に設置
- 令和6年度V2H補助金完全ガイド
- ニチコンEVパワーステーション
- 令和6年V2H補助金応募要領(次世代自動車振興センター)
- 補助金申請から補助金交付までの流れ(次世代自動車振興センター)