金曜日 , 8月 21 2026

【試験重点ポイント:第2回】目に見えない電気を攻略! 初心者がつまずく「オームの法則」と配電システムの基礎

第2回では、学科試験の基礎理論で立ちはだかる「計算問題の壁」を、数式の丸暗記ではなく「物理的なイメージ」で乗り越える方法を解説します。

「オームの法則」は水の流れのイメージで完全理解!

電気理論の超基本であり、避けて通れないのが「オームの法則」です。公式は V=I・R で表されますが、これを単なるアルファベットの羅列として暗記してはいけません。電気は目に見えませんが、「水流(ホースとポンプ)」に例えると一瞬で理解できます。

  • 電圧(V:ボルト)= 水を押し出す「ポンプの圧力」
  • 電流(I:アンペア)= 実際に流れる「水の量」
  • 抵抗(R:オーム)= 水の通り道を邪魔する「ホースの細さ」や「障害物」

圧力が強い(Vが大きい)ほど水はたくさん流れ(Iが大きく)、ホースが細い(Rが大きい)ほど水は流れにくくなります。「V(ボルト)は I(愛)に R(ある)」というお馴染みの語呂合わせと同時に、この水鉄砲のイメージを常に頭に思い描きましょう

交流回路の「力率(りきりつ)」って何?

家庭用のコンセントには、波のように大きさと向きが変わる「交流(AC)」が来ています。ここで初学者を悩ませるのが、コイルやコンデンサが引き起こす「力率」という謎の言葉です

難しく考える必要はありません。力率とはズバリ、「回路に流れた電気のうち、熱や光として『実際に働いてくれた電気(抵抗)』の割合」のことです。どんなに複雑な式でも、「全体の値に力率を掛ければ、実際に仕事をしている部分だけが抜き出せる」と直感的に分かっていれば、ひっかけ問題にも強くなります

単相? 三相? 家の電気が「3本線」な理由

街中や家の中をめぐる電気には種類があります。この違いを知っておくと、配線図の理解が格段に早くなります

  • 単相2線式(100V):昔の家や小さな設備向け。線が2本で100V専用。
  • 単相3線式(100V / 200V):今の一般家庭の主流。線が3本(赤・白・黒)あります。真ん中の白線を基準にすることで、普通の家電(100V)と、大型エアコンやIH(200V)を同時に安全に使える優れものです。
  • 三相3線式(動力・200V以上):工場やビルの業務用大型モーターなどを動かす超パワフルな電気。一般家庭には引き込まれません。

超頻出! 漏電を防ぐ「絶縁と接地」の暗記テクニック

電気を安全に使うための「絶縁抵抗(電気が漏れないか)」と「接地工事(アース:漏れた電気を逃がす)」の基準値は毎回のように試験に出ます

  • 絶縁抵抗(漏れにくさ):150V以下なら「0.1 MΩ以上」。あとは電圧が上がるごとに「0.2」「0.4」と2倍になる『倍々ゲーム』で覚えます。
  • 接地工事(アースの逃がしやすさ):300V超の「C種」は 10 Ω以下。300V以下の「D種」は 100 Ω以下と『10倍』の関係。さらに漏電遮断器(0.5秒以内)がつく場合は、0.5の『5』をとって 500 Ωまで緩和される、と関連づけて覚えましょう。

電気工事士試験重点ポイント全3回

About エレクトリックライフ編集長

電子回路・エネルギーの専門家。太陽光発電、エネルギー貯蔵、電気自動車やソーラーカーの研究を行う。これらの知見を活かし、2050年のカーボンニュートラルに向けた電力の有効活用を研究している。 弱電から強電まで広いエリアを専門として、エネルギー、特に電力の上手な活用を一般に広く広めるための活動も行っています。 保有車両:テスラモデルY2025前期