金曜日 , 8月 21 2026

【試験重点ポイント:第3回】最大の難関「複線図」はこう書く! 技能試験を突破する実践テクニック

全3回の最終回は、筆記試験の重要分野であり、技能試験の合否を100%左右する「複線図(ふくせんず)」の書き方と、実技の攻略法です。

「単線図」と「複線図」の違いは、路線図と線路

試験問題に書かれているのは「単線図」と呼ばれる1本線で書かれた図です。しかし、実際の工事ではこれを「複線図」に頭の中で書き換える必要があります

① 単線図(たんせんず)とは?

  • 線の意味: 1本の線が「1つのケーブル(VVFなど)」または「1つの電線管」を表します。この1本の線の中に、実際には2本〜4本の電線(心線)が入っています。
  • 目的: 施工場所(平面図)における器具の位置、ケーブルの種類(太さや心線数)、配線ルートを示す「設計図」です。
  • 試験での役割: 問題用紙に記載されている図面です。受験者はこの図から「どこにジョイントボックスがあるか」「どのスイッチがどの照明を点灯させるか(イ、ロ、ハの記号)」を読み取ります。

② 複線図(ふくせんず)とは?

  • 線の意味: 1本の線が「1本の電線(銅線)」を表します。
  • 目的: ケーブルの被覆を剥いた中にある複数の電線(黒・白・赤・緑など)を、ジョイントボックス内で「どの色同士で結線するか」を示す「作業用の回路図」です。
  • 試験での役割: 技能試験において、単線図を見て自分の頭で(下書き用紙に)書き起こさなければならない図です。これが正しく書けないと、電線の色を間違えたり、ショート(短絡)を引き起こす誤結線をしてしまい、一発で「重大な欠陥」として不合格になります。

試験では、この路線図から実際の線路(複線図)を瞬時に自力で書き起こさなければなりません

欠陥ゼロ! 複線図を正確に書く「魔法の5ステップ」

自己流で線を引くと絶対にミス(重大な欠陥)をします。以下の順序を機械的に守ることが最重要です

  1. 配置する:問題の単線図と同じ位置に、電源・スイッチ・照明などを書き写す。
  2. 白線(接地側)をつなぐ:電源の白線から、スイッチ「以外」のすべての器具(照明やコンセント)へつなぐ。照明に「W」の印があれば必ず白を。
  3. 黒線(非接地側)をつなぐ:電源の黒線から、すべての「スイッチ」と「コンセント」へつなぐ(照明に直接黒をつなぐと電気がつきっぱなしになるので絶対NG!)。
  4. スイッチと照明をつなぐ:各スイッチから、動かしたい照明へ線を引く。
  5. 接続点の印(●)と色を書く:線がつながる部分に明確に●を書き、線の太さや接続方法(リングスリーブ等)を記入する。

階段の電気はどうなってる? 「3路スイッチ」の仕組み

1階でも2階でも電気を点けたり消したりできる階段のスイッチ。これを「3路スイッチ」と呼び、技能試験(候補問題No.6など)で頻出します

難しそうに見えますが、ルールは簡単です。スイッチの裏にある「0番」「1番」「3番」の端子を使います

  • 電源の黒線は、片方のスイッチの「0番」へ。
  • 2つのスイッチの「1番同士」「3番同士」を渡り線でつなぐ。
  • もう片方のスイッチの「0番」から照明へ。 これだけで、魔法のように2箇所からオンオフできる回路が完成します。

技能試験本番は「時間との戦い」

実技試験の制限時間はたったの40分です。「複線図に3〜5分、実作業に30分、見直しに5分」という時間配分を体に叩き込む必要があります

試験センターから事前に公表される13パターンの候補問題すべてについて、動画教材などを活用し、最低2回ずつ時間を計って本番同様の練習を行いましょう。体が勝手に動くレベルになれば、合格はもう目の前です。

電気工事士試験重点ポイント全3回

About エレクトリックライフ編集長

電子回路・エネルギーの専門家。太陽光発電、エネルギー貯蔵、電気自動車やソーラーカーの研究を行う。これらの知見を活かし、2050年のカーボンニュートラルに向けた電力の有効活用を研究している。 弱電から強電まで広いエリアを専門として、エネルギー、特に電力の上手な活用を一般に広く広めるための活動も行っています。 保有車両:テスラモデルY2025前期