モデル3のロングレンジの納期が来年へ
テスラモデル3のロングレンジモデルの納期が2023年の第一四半期の終わりになっています。納期予定は2023年2月〜3月ということですが、今後更に伸びる可能性もあります。
ロングレンジモデルは2021年2月の最安値499万円から219万円ほど値上がりし、しかも付属品だったCHAdeMOアダプタが別売りになったり、標準設定が19インチホイールから18インチホイールに下げられるなどのダウングレードが行われています。しかしインフォテイメントシステムについてはMCU3へとアップグレードされています。
Model Y発売で、日本市場のラインナップが変わるか?
2022年5月、待望のSUVモデルとしてModel Yが発売されましたが、そのラインナップはRWDモデルとパフォーマンスモデルの2車種となりました。RWDモデルはモーターが1つで、パフォーマンスモデルはAWDでモータが2つのデュアルモーターとなっています。ロングレンジ(LR)もAWDのため、航続距離が問われることが多い電気自動車(EV)において納得の航続距離を示しているのがロングレンジであっただけにModel Yにもこのグレードがほしかった気がします。
しかしながら、Model S、Model Yの後に、大衆車セグメントとしてリリースしたModel3とModelYですが、日本では高級車の価格帯にあるため、比較的手の出しやすいRWDモデルが売れ筋モデルになっていて、航続距離もWLTCでModel3のRWDで565km(実際は450km前後)、ModelYのRWDで507km(実際は400km前後)と同クラスの他社SUVカテゴリのEVと比較しても優位性を持っています。より長い航続距離を選択するには、今後は加速性能など走りの付加価値の高いパフォーマンスを選択するということになります。
Model3ではロングレンジグレードの設定があり、3段階の設定で販売していますが、今回のようにロングレンジが来年の2月〜3月納期となってしまうと、補助金65万円が受け取れるかどうかわからず、それなら補助金を利用できるうちにパフォーマンスモデルを選択する人も出てくるでしょう。
ロングレンジグレードの納期がこのように延びているのは、ギガ上海工場での生産体制と各国への生産量の割当などをマーケティングデータにより決定していることから、日本市場では人気のRWDを普及モデルとして考え、パフォーマンスモデルに航続距離と加速性能の付加価値をまとめて、上のクラスを求めるユーザーに販売するという2つのグレードの販売にシフトしていくのかもしれません。
この方法であれば、更にRWDグレードの販売数を伸ばすことができ、航続距離のマイナス分をスーパーチャージャーの普及やサービス拠点の増強に当てることで、テスラ車の利便性を向上させることができれば、今後テスラが日本市場で更にその勢力を伸ばす事ができるかもしれません。