CATLのカーボンニュートラルプラン
2023年4月に開催された第20回上海国際自動車産業展示会において、世界のEVバッテリシェアNO1の中国CATLが驚きのカーボンニュートラルプランを発表しました。
すでにバッテリ生産工場などをカーボンニュートラルに向けた形に最適化をすすめてきているCATLは、中核事業でなんと2025年までにカーボンニュートラルを実現し、バッテリーバリューチェーン全体でも2035年までにカーボンニュートラルを達成する計画を発表しました。
現在CATLのリチウムイオン電池の販売量は2022年には289GWhに急増していて、SNE Research社によれば、EV電池では37%で世界1位となっていて、エネルギー貯蔵用の電池出荷量でも43.4%とこちらも世界1位となっています。
2位を大きく引き離しているも、2位のLGエナジーソリューションと3位のBYDはその差が詰まっていて、グローバルで販売台数を伸ばしているBYDの車両の売れ行きを見ると、間もなくBYDが2位に浮上してくることが予想されます。
バッテリーパスポートプログラムで脱炭素を加速
CATLはカーボンニュートラルを推進するための新しい消費者のためのツールとしてバッテリーパスポートプログラムも同時に発表しました。これはバッテリーの原材料やESG、サプライチェーンの情報を物理バッテリーとともに管理するもので、消費者が将来的には利用しているバッテリーが低炭素製品である事を認識でき、またそのバッテリが原材料からどのようなルートで製造されたものかがわかるようになっています。これはそのバッテリを保有するユーザーとも紐づくことを意味しているため、バッテリを適切にリサイクルしているかなど消費者が適切にリサイクルなどに持ち込むためのプロセスもサポートすることを暗示しているとも言えます。
既に業界初のカーボンニュートラル工場となっている
CATLはすでに2021年に業界初のカーボンニュートラル電池工場を実現し、2022年にカーボンニュートラル認証を取得しています。以下のグラフにもあるように、2022年には418の省エネプログラムを推進し、合計しておよそ45万トンものCO2排出を抑え、グリーンエネルギーの利用を26.60%にまで上昇させました。
EVバッテリーのライフサイクルも脱炭素へ
バッテリーシェアを広く獲得しているCATLがカーボンニュートラルでも世界をけん引していることで、燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)で利用される電池の存在自体がカーボンニュートラルに近づいていることになります。これが実現することで、持続可能な資源の供給と安定的なエネルギーの活用へもつながります。
電池シェアでは、2010年ごろはトップランナーだったパナソニックは現在EV用バッテリシェアで世界第4位となっています。今後世界でシェアを伸ばしながらカーボンニュートラルも実現しなければなりません。社会的責任の部分で、グローバルの目標より15年も早い目標達成を打ち出したCATLに対し、日本が誇る電池メーカー「パナソニック」も目標の前倒しが迫られています。
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