土曜日 , 4月 27 2024

2021年末現在でEVを2車種リリースしたメルセデスベンツのこれから

メルセデスベンツの2030年までのEV戦略

元々メルセデスベンツは以前から電動化を進めていく事を表明していたメーカーですが、2021年7月にはそのEV戦略を前倒しする形となる2025年以降に発売する新車については全て完全電気自動車(EV)にするということでした。

BMWもすでに4車種のEVを市場に投入済みの状態ですが、先日トヨタが発表したEV戦略では「レクサス」を全車種EV化するなど、自動車業界ではこのような高級車セグメントでのEV化が加速しているため、まさにこのセグメントの代表格ともなっているメルセデスベンツがその計画を前倒ししてきたのは必然とも言えます。

日本市場では2021年末時点で2車種

メルセデスベンツの100%電気自動車ブランドを「Mercedes-Benz EQ」と呼んでいます。このEQブランドで現在日本国内では以下の2車種が販売されています。

メルセデスベンツEQC

すでに2019年10月ごろから日本市場に納車が開始され、すでに2年が経過しています。2018年に開発されたEVで、2021年4月に装備見直しで大幅に値下げが行われました。

Mercedes-Benz EQC 400 4MATIC*
Mercedes-Benz EQC 400 4MATIC*

<EQC基本スペック>

  • バッテリー容量:80kWh
  • 駆動方式:AWD
  • 航続距離(WLTC):400km
  • 0-100km:5.1秒

メルセデスベンツEQA

EQCの大幅値下げと同じころ、2021年4月に日本で発売が開始されたのがコンパクトサイズのSUVであるEQAです。メルセデスベンツでは「A」がついたモデルは最も小さいモデルにつけられるため、コンパクトSUVとしてメルセデスベンツの中でもより多くのユーザーに向けたモデルです。

Mercedes-EQ, EQA,
Mercedes-EQ, EQA,

<EQA基本スペック>

  • バッテリー容量:66.5kWh
  • 駆動方式:2WD
  • 航続距離(WLTC):422km
  • 0-100km:8.9秒

メルセデスベンツもプラグアンドチャージ

テスラが採用しているチャージング方式でもあり、プラグをさせば自動的にチャージが始まる「プラグアンドチャージ:Plug & Charge」を実現するため、メルセデスベンツでもプラグアンドチャージを採用します。これは自社によるチャージングネットワークの構築も意味しています。

プラグアンドチャージでは、日本のCHAdeMo方式などのようにユーザーがカードをかざすことで認証されてチャージが始まるのではなく、車体の情報を読み取ってそこに登録されている決済情報から決済が行われるため、プラグをさすだけで認証され充電がはじまるというものです。

メルセデスベンツの電池戦略はどうなっているのか

メルセデスベンツの電池工場設置の計画は、世界中に8か所の工場建設が予定されていて、その生産量は200GWhの容量を予定しています。この200GWhという大量生産を達成するためには多くの電池メーカーとの協業を実現させなければ実現は不可能です。

次世代バッテリー開発に欠かせないマテリアルの部分では、元テスラ社員が立ち上げたSila Nanotechnologiesのようなエネルギー貯蔵に最適な技術を持つ企業などとの連携も必要です。現在多くのバッテリーセルに高効率のエネルギー貯蔵のために用いられているコバルトの使用の削減も目標に掲げているため、これら最新素材の活用はメルセデスベンツにとって必須となります。

2020年7月、メルセデスベンツは中国のバッテリーセルメーカーであるファラシスエナジー(Farasis Energy)と株式の取得を含む提携に合意したことを発表しています。さらに2021年7月には、公式会議の監査役にダイムラーとメルセデスベンツの取締役会メンバーであるマーカス・シェーファー氏(Markus  Schäfer)を迎え入れ、戦略的パートナーシップをさらに前進させています。

さらに中国大手バッテリーセルメーカーであるCATLともパートナシップを結んでいて、バッテリーの安定供給に向けた盤石の態勢を築きつつある。

VISION EQXX

そして、2022年の目玉となるだろうVISION EQXXについては、新年早々の1月3日にインターネット上でデジタルワールドプレミアを行う事が発表されていて、メルセデスベンツがEVとしての質をワンランク上に引き上げるだけでなく、自動車のライフサイクルにおいても、その循環社会に適応したサステナブルなマテリアルによる製造や先進的なソフトウェアによる自動運転技術などについても語られる予定です。

visioneqxx ELECTRICLIFE.JP

この1月3日に控えている発表は、長くにわたりEVに携わってきたメルセデスベンツが、高級車セグメントで他を圧倒するモデルを発表してくるかと世界中が注目しています。今後のEV戦略の更に詳細が明確となり、そして2039年ビジョンを掲げてメルセデスのカーボンニュートラルへのロードマップの1つとして見逃せないものとなっています。

 

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