ついに発売が開始されたBYD Raccoに試乗してきました!
今、日本中が注目するBYDが、本気で日本市場専用に開発した初の軽EV『Racco(ラッコ)』。満を持してリリースされたその実車に、早速試乗してきました!
すでに試乗予約もいっぱいで、平日にも関わらず次々試乗する人がやってきます。
ここでは、普段は日産リーフに乗り、国産EVには全て試乗してきた私「Mayasa」が国産軽自動車EVとの比較をしっかりと重要な部分を余すところなくお伝えします。(スペックなどの詳細は後述する編集長の記事をご覧ください。)
今回は最近オープンしたばかりの埼玉県のBYD川越店にお邪魔しました。
全グレードで両側電動スライドドア標準装備の衝撃!
ホームページなどでスペックをしっかり見てから来たつもりでしたが、勝手にベーシックグレードは電動スライドは標準装備されていないとと思っていましたが、なんと全グレード電動スライドが標準装備との事。なるほど〜。

BYDといえば、海洋生物の名前がついていたりしますが、外観はさほどそのイメージをのこしていませんが、インテリアの節々にその感じを出すという特徴があります。今回の軽EVで、背の高い形からはラッコの印象はあまりうけませんが、イルカ(Dolphin)やアザラシ(Seal)、アシカ(Sealion)にくらべサイズが小さめの「ラッコ」は、軽自動車のネーミングとしては最適です。

日本で走るということの快適性を研究されたグレード設定
展示車両は最もベーシックなモデルですが、正直これでも必要なものが全て揃っていると感じるスペックです。10.1インチのセンターパネルはBYDオリジナルのナビなどは無く、Apple CarplayとAndroid Autoに任せるため、スマートフォンをBluetoothで接続しておく必要があります。この辺りの割り切りは車両価格を下げるためには必要不可欠な部分で、FMラジオ以外のエンターテイメントは全てスマートフォンに任せます。車両情報は、ドライバー専用のモニタも用意されていて、300グレード以上では、タイヤの空気圧も一目でわかるようになっています。

BYDならではの海洋生物デザイン
BYDといえば、ATTO3やDLPHIN、SEALなど全ての車両が海洋生物をモチーフにしたデザインとなっています。ラッコも海水でしか生きられない海洋生物ですから、やはりインテリアデザインにもラッコ感が出ています。一番は運転席側のエアコンの吹き出し口がラッコの目のような感じをうけます。

そして、親指でボタンを押しながら操作し、ドライブやリバースに切り替えるシフトノブは尻尾のような感じを受けます。押しながら手前に引けば「D」に入り奥に押し込めば「R」にはいります。パーキングにする場合は、一番下の「P」ボタンを押します。エアコン類の操作ボタンもこの周辺に配置されていて、シフトノブの右側に「スタート」ボタンが配置されています。

扉にもラッコが好きな貝殻をモチーフにしたドアノブのデザインになっています。ドアの開閉時には、ドアノブを2回引いて開ける安全設計が採用されています。
このドア内側のプラスティック部分については、ややここでコストを下げるための努力をしているなという感じで、日本車と比べると少し安い感じをうけますが、インパネ全体のデザインやこれから紹介していくさまざまな機能がこの質感を忘れさせるものになっています。

スマホ連携必須だからこそのUSB TYPE-AとTYPE-C
車内エンターテイメントは基本的にスマートフォンで行うため、もちろん充電のための設備もしっかり搭載されています。最近ではUSBはType-Cに割り切って、12Vのシガーソケットも搭載していない車両も多いですが、ここには全ての種類が整っています。最近、非接触充電を搭載している車両を良く見受けますが、充電スピードが遅くなり、スマホケースによっては非接触充電が反応しないこともあるため、結局USB接続で充電するケースも多いです。ラッコには日背色充電がついていませんが、USBケーブルで充電すれば18Wでしっかり充電できます。すぐ横にはスマホの収納スペースも用意されていて、こういったところは意外と重要で、ここに置き場がなければドリンクホルダーに差し込んだりと他の機能を奪ってしまう可能性がありますのでGoodです!
カップホルダーについては、300Premiumグレードでは、冬にホットコーヒーなど温かい飲み物が冷めないようにホルダーにもヒーターがつきます。

広いリアシートと多彩なシートアレンジ
ラッコの最大の特徴でもある居住空間の広さです。高さは国産の同型の軽自動車と比べても高く感じる印象です。それはリアシートに座ってみると更に感じる部分で、足元の広さはもちろんの事、シートアレンジで日常的な利用方法がかなり広がっていくのも特徴の1つです。

例えば背の高い家具や観葉植物などを購入した際などは、この足元空間の低さと天井の高さを最大限に利用して、リアシート部分を収納として利用する事ができます。

リアシートを手前に倒せば、大きな荷物を収納できる巨大なスペースが現れます。価格も値段も性能もかなりいう事がありませんが、唯一ケチをつけるなら、この段差をフラットにできたらもっと最高でした。これはシートを後方にスライドさせたり、跳ね上げたりする機構を付ける時にこのような構造になってしまった可能性がありますが、もう少し開発に時間があったらクリアできる問題です。おそらくAliExpressなどで今後この高さを合わせるパーツなどが販売されてくるでしょうから、ここもそんなに問題ない部分です。

300Premiumではシート素材が合皮になり、更に座り心地が良くなります。またフロントのアームレスのの収納ボックスは300Plusグレードから搭載され、リアのセンターアームレスとは300Premiumのみに搭載されています。このアームレストは左右独立しているのも特徴です。

大人が足を伸ばして寝れる!
更に、リアシートのリクライニングには限界がありますが、リアシートを最大まで下げ足元を広くした状態で、フロントシートのヘッドレストを外して倒すとほぼフラット状態にすることができます。
これで、長距離運転時の休憩や、車中泊などをするような場合でも快適に過ごすことができそうです。災害の多い日本では、今後有事の際の避難場所という考え方としても車の選び方が変わってきています。

細かい機能も日本向けにしっかり装備
Raccoの細かい機能も日本市場を非常に良く研究されていると感じます。まずはリアシートに座った人が利用できるシートバックテーブル。こちらは300Plus,300Premiumに搭載されていて、フロントシート背面にある携帯電話やリアシートで必要なものを入れておけるポケットがついています。ドリンクホルダもついていて、長時間ドライブの際に携帯電話でエンターテイメントを楽しめるように、携帯電話をひっかける溝もついています。

さらに、雨が良く降る日本では、意外と困るのが濡れた傘を収納しておく場所です。ラッコはこれも解決していて、フロントアームレストの下に多目的ボックスが用意されていて、それを引き出して、フロントシートについているリングに傘を通せばフロアを汚さずに傘を収納しておくことができます。夏でも日傘や高齢者用の杖など様々なモノが収納できます。

ちなみにフロントシートの下からも収納ボックスが引き出せ、車のメンテナンス用品や変えの運動靴などが収納できます。

高齢者に優しい乗降時にあると便利な手すりも日本市場をかなり意識して、使いやすいようにしっかりとしたものを付けています。最近これがついていない車も多いですが、ニーズも多いため、かなりリサーチしていると感じます。またこの手すりについているくぼみもバックや買い物袋をかけたり、様々な用途に利用できそうです。

300Plusと300Premiumには、後部座席にはサンシェードが標準でついています。異常な暑さの日本の夏には必需品です。

無理をしない軽EVらしい走行性能
さて、ようやくここからは走りの性能チェックですが、まずドライバーのハンドルの左右にはボタンがいくつか配置されていて、車の走行に関するものは左手側で、右手側に音楽の音量、ハンズフリーフォン、音声指示などのエンタメ機能の操作ができるようになっています。

ドライブモードはSNOW、ECO、NORMAL、SPORTS
ドライブモードは4種類から選べるようになっていて、回生ブレーキも弱め強めを設定できます。まずECOモードからため示したが、EVらしい加速感はこれでも十分得られています。このあたり、一度EVにのってしまったら戻れないところの1つです。このモードでも乗用車レベルの加速感になっています。
NORMALモードにすれば更に加速感がでてきびきび走ります。坂道をぐんぐん登っていきたいときや高速道路ではNOMALモードに切り替えると良いでしょう。SPORTSモードは加速感はNORMALと比べてさほど違いを感じませんでしたが、加速時間、最後の伸びがやや良くなります。雪道や泥道などの滑りやすい道路ではSNOWモードでゆっくりと加速していきます。
ラッコの加速感と速度を上げた状態での感覚から、やはり車体下にブレードバッテリーが引かれていて重心が下にあるため、加速中の車体のブレや速度が出たときの安定性はガソリン車には無い感覚です。高速道路は試せていませんが、車体の形状があまり空力が良い設計にはなっていないとはいえ、十分な加速を備えているため、遠出も全く問題ない軽自動車と言えます。

グレードによって何が違うか?
7月28日から発売が開始されて、川越店だけでも既にかなりの受注を受けているそうです。スタッフの方に聞くとそのほとんどがRacco300 Premiumを選択されているとの事です。以下の3段階で見ていくと良いでしょう。
電池容量と航続距離
最初に押さえておきたいのが、バッテリー容量と航続距離です。航続距離はカタログ値で、EL予測は、当サイトが現在の主要諸元のデータを元に、他社の軽EVなどで実測したデータなども参考にしながら、独自に算出したエアコンを使って利用した際の独自の航続距離予測です。目安として参考にしてください。
- Racco 200:22.4kWh 、航続距離 – 210km(EL予測:約160km)
- Racco 300Plus:35.84kWh、航続距離 – 320km(EL予測:約230km)
- Racco 300Premium : 35.84kWh、航続距離 – 320km(EL予測:約230km)
軽EVは4人で乗ったり、高速走行の機会が多いとEL予測を更に下回る可能性もあります。ただ、知っておいてほしいのは年間12,000km乗る人が居たとして1日平均33kmしか乗らないという事です。
装備の違いは何があるか?Racco200と300Premiumの差
ここでは、Racco300 Premiumについていて、200についていない主要な機能を紹介します。
- アラウンドビューモニタ:車両の周辺をカメラ画像で走行中もチェックできる。
- タイヤ空気圧モニタ:正確な数値でタイヤの空気圧を教えてくれます。タイヤ寿命や電費にかかわります。
- 幼児置き去り検知機能:センサーで後部座席周辺の動きを感知します。
- アルミホイール
- フロントアームレスト収納:運転手側に開く左手のアームレストの収納。
- シート・カップヒーター:冬場フロントシートを座面からあたため、カップホルダーもあたためます。
- 足元ハンズフリードア:車両下に足をかざすと電動スライドドアを開けることができます。
- 運転席の電動シート調整:ボタン操作で微妙なシート位置調整をします。
- 後部座席テーブル・ポケット:リアシートの人のドリンクホルダとテーブル。
- 後部座席サンシェードとバックストラップ(傘や杖ホルダー)
- フォグランプ
- アプリでの接近ドアロック解除
遠出はできるか?
遠出する際に「EVで遠出はできるのか?」「充電スポットは無いのでは?」こういった疑問が湧いてくると思います。
もうこのサイトでも何度も話している事ですが、全く問題ありません。軽EVサクラは実用遣いで140km前後ですが、別に首都圏から軽井沢も行けます。充電スポットはあちこちいくらでもあります。Raccoの場合は300Plus以上であればかなり快適に遠出できます。200シリーズは街乗りですから、あまり急速充電器での充電を視野においていないため、外の充電スタンドで充電した場合充電スピードがやや遅くなります。自宅充電でも3kWhまでとなります。(このあたりは後述します。)

充電スポットが開いているか、使われていたら後何分で空くかなどはスマホのアプリで事前に確認が可能です。スマホアプリを開けばわかりますが、スポットとしてはガソリンスタンドよりも数が多いです。なぜ見かけないかというと、ガソリンスタンドにあるわけでは無くて、エネルギーの入れ方がガソリン車と全く違うからです。(※これは後ほど他の記事を紹介します。)
補助金の差で他社との価格差が埋まってしまうが、考え方を変えると・・・
Racco200グレードが消費税込みで214万5千円で、22kWhのバッテリーを搭載しているという点で、価格も走行性能もかなりのアドバンテージを持って発売されています。しかしせっかくの差も補助金額が大きく違うため、その差が埋まってしまいます。Raccoの場合15万円が国から受け取れ、市町村によっては別に10万円などを用意してあるところもあります。
例えばホンダのN-ONE e:の場合Gグレードが269万円ですのが、58万円の補助金が出るため、211万円で購入できます。Gグレードは29kWhのバッテリ搭載ですので航続距離は上を行きます。
しかし、上位グレードで比べると補助金をN-ONE e: Lグレードが319万円で58万円の補助金適用で261万円です。Raccoの300Premiumは249万円ですから、補助金適用無しでも上回っています。
補助金を適用した場合の注意
補助金を適用すると、4年間保有していなければならないというルールがあります。4年以内に売却した場合には補助金を返納しなければならないので、注意してください。
視界も広く、運転のしやすい日本の軽自動車が震える車
さて、ここで総括させてもらうと、インテリアの質感などは、日産サクラやN-ONE e:などと比べてやや劣ると言わざるを得ませんが、乗ってみてわかるのは、満足いく質感である事と、必要十分な機能を兼ね備えた超実用的機能にフォーカスした使い勝手の良い軽EVという事です。
正直、価格とのバランスを見ても、現在発売されている軽EVの中では最も良い選択肢と言わざるを得ません。最もうれしいのが、やはりブレードバッテリー35.84kWhまで容量をあげてきているのに、最上位グレードが税込み250万円を切る価格です。

という事で、近くにBYDのディーラーがあり、サポートもしっかり受けられる方には超おすすめの一台です。
最後にRacco買う人が絶対にやってはいけない買い方!
こちらも既に再三当サイトで伝えてきている事ですが、話題のBYDのRacco。かわいいし、価格も良いし、性能も良いわけですが、絶対に妥協してはいけない部分があります。
それは、家庭用充電スタンドを自宅に付けるという事です。EV用コンセントではありませんので注意してください。
BYDではWall Boxという充電スタンドがあります。これか、またはAmazonなどで売っている社外品でもいいので、200Vの充電コネクタを車両の近くに設置するようにしてください。位置はRaccoの充電ポート(運転席側前)に合わせる必要はありません。そこまで届けばどこでも良いです。

なぜ建売などにもついてるコンセント型の200Vコネクタがだめなのか?
このコンセント型の充電ポートは、自宅の壁についているケースが多く、駐車場やカーポートからはやや離れているケースもあります。何がダメかというと、壁側と車両側に毎回コネクタを抜き差ししなければならないという事です。夜疲れて帰って来た時にや雨が降っている中、重たい充電ケーブルを出してこの作業をするのは中々の労力です。これは自宅についていたとしても緊急用と考えてもらって、専用の充電スタンドは必ずつけてください。帰ってきたら充電スタンドからコネクタを手に取って
充電はほぼ毎日の事です。これをケチるとこれだけ素晴らしい車両を購入しても毎日の不便さが上回ります。日産リーフやサクラを1年くらいで手放す人が多かったのも、ディーラーの人が「近くのイオンとかで充電すれば十分ですよ」などと乗っても居ない人が適当な営業をしてきたからです。
電気自動車に乗るという事は、自宅の充電環境が揃っている事が最大の条件です。
そのため、以下のような人にはラッコだけでなくどのEVもおすすめできません。
- 自宅に充電スタンドを設置できない方
- 集合住宅で、共用の充電スタンドを使わないといけない方
特に日常使いの軽EVは更に強く言えることです。
ELECTRICLIFE – エレクトリック・ライフ! 電気自動車(EV)・電化・再エネ活用でカーボンニュートラル実現へ!